ガキ帝国 (映画)

映画『ガキ帝国』および続編『ガキ帝国 悪たれ戦争』について

『ガキ帝国』（ガキていこく）は1981年に公開された井筒和幸監督の映画で、主に不良少年たちの日常を描いています。この作品は、昭和40年代前半の大阪を舞台とし、不良少年たちの友情や闘争を通じて、当時の若者文化を映し出しています。また、趙方豪、升毅、國村隼といった俳優のデビュー作としても知られており、映画は関西地区で先行上映された後、全国に広がりました。

第一作『ガキ帝国』

あらすじ

物語は、大阪万博を3年後に控えた頃、少年院から戻った不良少年リュウとその友人高が中心となります。彼らは、古い仲間チャボやケンと再会し、大阪の不良勢力が2つのグループに分かれていることを知ります。一つは北神同盟、もう一つはホープ会です。高は北神同盟に参入し、組織をまとめ、ミナミに進出します。一方でリュウたちは、二つのグループのどちらにも属さず自由な行動をとります。様々な抗争を繰り広げ、仲間のゼニが悲劇に見舞われたことで、リュウたちは新たな組織「ピース会」を結成しますが、リーダーを巡り意見が分かれることになります。

キャスト

• - リュウ：島田紳助 – 暴れん坊キャラクター
• - チャボ：松本竜介 – 一般生徒に嫌がらせをするチンピラ
• - ケン：趙方豪 – バンドマンでもある
• - 明日のジョー：升毅 – 在日朝鮮人キャラクター

その他、多数のキャストがそれぞれ印象的な役を演じています。

興行

本作は、京阪神地区の映画館で、洋画の穴埋めとして二週間上映されましたが、続く高林陽一の抗議により、より丁寧な売り方が促されました。

続編『ガキ帝国 悪たれ戦争』

1981年に公開されたこの続編は、前作のキャストを引き続き起用しながら、舞台を衛星都市に移し、時代設定を大阪万博が終了した後にしています。物語は、佐々木辰則と松本良一のバイト生活を中心に展開され、喧嘩や人間関係のトラブルが描かれます。特にハンバーガー店でのトラブルが物語の重要な要素です。

作品の批評

『ガキ帝国』は、当初の熱意を称賛する意見が多く、続編においてはキャラクター描写が深まったと評価される一方で、縮小されたストーリー展開に不満の声も上がりました。監督の井筒和幸自身も作品への評価が分かれていると認めています。

上映中止の経緯

続編は特に公開直後にモスバーガーからの抗議を受け、上映中止に至ったという異例の事態に発展します。モスバーガーのイメージが損なわれるとの理由からで、以降、映画は封印作品となりました。

影響

本作や続編は、今なお日本映画の歴史の中で語り継がれていますが、特にモスバーガーの抗議が影響したことで、フィルムは後に回収され、ソフト化もされませんでした。このような改革の遅れが、映画界の在り方について多くの議論を呼ぶことになりました。

現在と今後の展望

未だに映画の上映は難しい状況が続いていますが、著作権者の許可が下りれば、再上映の可能性も残されています。歴史的な映画としてだけでなく、制作の背後には多くの人々の努力があることも、しっかりと認識されるべきです。

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