ガテラルボイス

ガテラルボイス（guttural vocal）

ガテラルボイスは、特にデスメタルやグラインドコアといった音楽ジャンルで使用される独特な歌唱法の一つで、通常は「ガテラル」と略称されることが多いです。この歌唱技法は、表現される音の特性から、聴く者に強い印象を残します。

歴史と成り立ち

ガテラルボイスは、デスボイスという技術から進化したものであり、主にブルータル・デスメタルやゴアグラインドと呼ばれる音楽ジャンルのために開発されたとされます。この歌唱法は、デスボイスの特徴を体現している一方で、より強烈かつ濁った音色を実現します。特に、Cryptopsyの「ロード・ワーム」やCannibal Corpseの「クリス・バーンズ」のような、極端に低い声での表現が知名度を上げましたが、多くの場合、ガテラルボイスの完成形を最初に確立した人物は特定されていません。

歌唱技法の特徴

ガテラルボイスを出すためには、高度な技術が必要です。基本的には、空気を吸うか吐く際に、喉の奥を振動させることによって音を生成します。この方法は、まるでゲップをするかのような音色を生み出し、「グエッ」や「ゴヴォ」といった湿り気のある低音の声を出すことができます。

最近では、ピッチシフターなどの音声変換機器を使用して、さらに低音を強調した「下水道ボイス」や、水に何かが溺れているかのような音を出す「溺死」と呼ばれる声も作り出されています。これにより、より多様な音色や効果を追求するアーティストが増加しています。

他にも、「吸引」呼ばれる声の出し方も存在していますが、ここではガテラルボイスに特化した説明を行います。

デメリット

一方で、ガテラルボイスにはいくつかのデメリットも存在します。特に、ノドを酷使することで喉を傷めやすく、ポリープができるリスクが高まります。これは、声帯にかかる負担が大きくなり、正しい発声法を用いない場合には容易に起こり得る問題です。

このため、ガテラルボイスを使う際には、声のケアが非常に重要となり、適切な練習方法を取り入れることが求められます。プロのボイストレーナーの指導のもとで、正しい発声技術を学ぶことが推奨されます。

ガテラルボイスは、デスメタル特有の表現力と音楽性を豊かにする重要な要素であります。技術を磨きつつ、健康な声帯を維持することができれば、この歌唱法を存分に楽しむことができるでしょう。

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