ガラゴ属

ガラゴ属（Galago）

ガラゴ属（学名：_Galago_）は、哺乳綱霊長目ガラゴ科に分類される動物たちのグループです。一般的にはショウガラゴ属という別名でも知られています。アフリカ大陸の森林地帯などに生息しており、夜行性で木の上を中心に活動します。比較的小型の霊長類であり、大きな目と発達した聴覚を持つことが特徴です。

分類に関する経緯

ガラゴ属の分類に関しては、過去から現在にかけて様々な議論や変更がなされてきました。かつては、現在では独立した属とみなされているハリヅメガラゴ属（_Euoticus_）やオオガラゴ属（_Otolemur_）を、本属内の亜属として位置づける見解が存在しました。

2000年代に入ると、分類体系の見直しが進み、2005年に発表されたある分類体系では、コビトガラゴ属（_Galagoides_）やアレンガラゴ属（_Sciurocheirus_）がガラゴ属のシノニム（異名、つまり同じグループとみなす）として扱われることもありました。しかし、それより前の2003年には、これらのグループをガラゴ属から分割して、それぞれ独立した属として扱うべきだという説も提唱されており、研究者間で見解が分かれていました。

近年では、動物の遺伝子情報を用いた分子系統解析が進められており、これによって生物間の類縁関係をより客観的に評価する試みが行われています。分子系統解析の結果からは、例えばザンジバルコビトガラゴ（ザンジバルガラゴとも呼ばれます）などが含まれる一群（これを_Galago_属、_Galagoides_属、_Paragalago_属などに分ける説もあります）が、より狭い意味でのガラゴ属と姉妹群、すなわち比較的近縁な関係にあることが示唆されています。このように、ガラゴ属とその近縁なグループの分類については、現在も研究が進められており、統一的な見解に至っていない側面もあります。

主な種

ここでは、日本モンキーセンターが2018年11月に公開した霊長類和名リストに基づき、ガラゴ属に含まれるとされる主な種をいくつか挙げます。ただし、前述の通り分類には複数の説があるため、これが唯一の分類というわけではありません。

_Galago gallarum_
和名：ソマリアガラゴ
英名：Somali lesser galago
_Galago matschiei_
和名：マチーガラゴ
英名：Matschie's lesser galago
_Galago moholi_
和名：モホールガラゴ
英名：Mohol lesser galago
_Galago senegalensis_
和名：ショウガラゴ
英名：Senegal lesser galago

これらの種は、それぞれ分布域や形態、鳴き声などに違いが見られます。

ガラゴ属に属する動物たちは、その独特な形態や行動から、霊長類の進化や生態を研究する上で興味深い対象となっています。今後の研究によって、分類に関する知見もさらに深まることが期待されます。

もう一度検索