ガロン (ヴァンパイア)

ガロン (ヴァンパイア) のキャラクター解説

ガロンは、カプコンの2D対戦型格闘ゲーム『ヴァンパイア』シリーズに登場する、悲しき人狼の戦士です。ここでは、彼の生い立ち、葛藤、技、そして他のキャラクターとの関係について詳しく解説します。

キャラクター設定

ガロンは、人と狼の血を受け継ぐ人狼です。生まれた直後に母親を亡くし、父親のことも知らずに天涯孤独の身となりました。しかし、彼は普通の人間として村人に温かく迎えられ、格闘家になるという夢を抱きながら質素に暮らしていました。

満月の夜、ガロンの中に眠る獣の血が覚醒し、彼は狼男へと変貌します。自身を制御できなくなったガロンは、村人を傷つけてしまい、故郷を捨てるように去ります。獣としての衝動と人間としての心の狭間で苦悩しながらも、彼は格闘家になるという夢を心の支えに、ひたすら鍛錬を重ねます。

そして、ガロンは「己の限界を超える」ことで血を克服する方法を見つけ出します。一時的に人間の姿に戻る術を身につけた彼は、それを完璧なものとするため、より強い者との戦いを求め、ダークストーカーズとの戦いに身を投じていくのです。

『ヴァンパイア ハンター』では、激闘の末に血を克服し、人間の姿を取り戻したガロンが故郷の村へ帰還し、子供たちに迎えられる感動的なエンディングを迎えます。しかし、それは一時的なものでした。

『ヴァンパイア セイヴァー』では、再び獣の血が目覚め、ガロンは再び狼男へと戻ってしまいます。そして、ジェダによって魔次元へと召喚され、もう一人の自分自身であるダークガロンと対峙することになります。エンディングでは、内なる獣がガロンに語りかけ、戦い続けることこそが彼の存在意義であり、獣として生きることを諭します。ガロンは、呪っていた獣の血がたぎり、それを楽しんでいる自分に気づくのです。一方、故郷では、フレッドとマルコという二人の兄弟が、ガロンの帰りをひたすら待ち続けています。

外見

ガロンは、青と白の毛並みを持つ狼男の姿をしています。鼻筋の長い狼の顔、ライオンの鬣のような逆立った毛、長く伸びた爪、イヌ科動物特有の足、ふさふさとした尾が特徴的です。服装は、上半身は裸で、拳法着のズボンと黄色い帯を身につけています。

かつて拳法家を目指していた彼は、高い向上心を持って武術に打ち込んできました。勝利メッセージからは、戦いを楽しむ様子が見られる一方で、獣人としての本性と、それに抗う苦悩が垣間見えます。

人間の姿のガロンは、長い銀髪の青年です。この姿は、戦闘前のデモや勝利ポーズ、『ハンター』までのエンディングで見ることができます。

ホームステージ

『ハンター』まではイギリス郊外がホームステージでしたが、『セイヴァー』以降は夜の街にある地下鉄の出入口の前をモチーフにした「CONCRETE CAVE」が主な舞台となっています。

他キャラクターとの関係

『セイヴァー』に登場するバレッタとは、ストーリー上の接点はありませんが、乱入キャラクター同士として設定されており、バレッタの本性を唯一見抜いています。ガロンとバレッタの対戦時には特別な試合前デモが存在し、バレッタはガロンのライバルキャラクターとして、童話「赤ずきん」をモデルに考案されました。

家族関係

母親はガロンを産んですぐに亡くなり、父親も不明です。しかし、『セイヴァー』では、魔界7大貴族の一派であるゼル＝クロイツ家の王室付近衛兵隊長バラバ＝クロイツが、人間の女性と恋に落ち、その息子がガロンであることが示唆されています。つまり、ガロンは魔族と人間の間に生まれた存在である可能性があるのです。

故郷には、血の繋がりはないものの、ガロンを兄のように慕うフレッドとマルコという兄弟がいます。彼らは『セイヴァー』のエンディングで、ガロンの帰りを待ち続ける姿が描かれています。

ダークガロン

『セイヴァー』のボスキャラクターであり隠しキャラクターとして登場する、色違いのガロンです。魔次元が生み出した「人間の姿に戻れなくなったもう一人のガロンの姿」という設定で、体が常に明暗交互に点滅しています。

『セイヴァー』では、ガロンの心を写した「内なる獣の本性」として彼に対峙します。基本性能は通常のガロンと全く同じですが、一部の技のグラフィックや演出、勝利ポーズなどが異なります。

ゲーム上の特徴

ガロンの戦闘スタイルは、鋭い爪と牙を使った攻撃と、獣のような俊敏さを活かした動きが特徴です。中国拳法をベースにした格闘術に加え、ヌンチャクを振り回す技も持ちます。

四つ足で移動する際は姿勢が低くなるため、見た目以上に当たり判定が低く、飛び道具を避けやすいという特徴があります。主力技である「ビーストキャノン」は、使用中に方向転換が可能で、ダッシュ攻撃はしゃがみガード不能です。

一方、飛び道具を持たないため、近距離戦を強いられます。そのため、対空や牽制に優れる相手を苦手としています。しかし、『セイヴァー』ではアドバンシングガードの登場により、ガードされた時に間合いを離せるようになり、打撃と投げの二択がより強力になりました。

技の解説

ガロンは、多彩な通常技、特殊技、投げ技、必殺技を持っています。以下に代表的な技を解説します。

ビーストキャノン: 前方へ突進する必殺技。途中で方向転換が可能です。
クライムレイザー: 上方へ蹴り上げる必殺技。出際に無敵時間があります。
ワイルドサーキュラー: 相手を掴んで回転しながら叩きつけるコマンド投げ。
ミリオンフリッカー: 高速でヌンチャクを振り回す技。
ストライクウルフ: ダウン追撃攻撃。
ドラゴンキャノン: 後方から光線のような炎を飛ばすEX必殺技。
* モーメントスライス: 相手を斬り裂くEX必殺技。

まとめ

ガロンは、『ヴァンパイア』シリーズにおいて、獣の血に苦悩しながらも強さを求め続ける、悲しき人狼の戦士です。彼の葛藤と、宿命に立ち向かう姿は、多くのファンを魅了し続けています。

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