キスの温度〜いちばん近い他人〜

『キスの温度〜いちばん近い他人〜』は、1990年5月9日に日本テレビ系列で放送された単発のテレビドラマです。松下電器産業（現パナソニック）一社提供の「パナソニックスペシャル」として、水曜グランドロマン枠を休止して放送されました。

解説

1980年代後半のバブル期、日本は空前のスキーブームに沸いていました。その火付け役となったのが、映画『私をスキーに連れてって』です。スキー場で出会った男女が、東京で同じ会社の社員だったとわかる、というロマンチックな展開が若い世代に大いに受けました。

本作は、そのブームに乗って制作されたテレビドラマ版と言えるでしょう。スキーツアーのバスで出会った男女が、東京で再会し、同じ部署に異動してきて、同じプロジェクトに携わるという、出来すぎた設定ではありますが、トレンディドラマとして人気を博しました。

主演は、ドラマ『東京ラブストーリー』でトレンディドラマの女王となった鈴木保奈美。相手役には、一世風靡セピアの柳葉敏郎。さらに、山口智子、石黒賢、岩城滉一といった豪華キャストが脇を固めました。

あらすじ

阿部真理子（鈴木保奈美）は、スキー場で宮本洋平（柳葉敏郎）と出会います。東京に戻ると、偶然にも同じ会社で、同じ「白浜リゾート」開発プロジェクトのメンバーとして働くことになります。

真理子は、年上の彼氏である立浪（岩城滉一）と交際していましたが、洋平とは仕事で衝突を繰り返します。若い女性をターゲットにしたトレンディなリゾート開発を提案する真理子と、「子供からお年寄りまで楽しめるリゾートこそ本物だ」と主張する洋平。企画書は真理子のものが採用されます。

当初、真理子は洋平のことを「爆発男」と嫌っていましたが、次第に彼のことが気になり始めます。仕事に邁進しながらも、洋平への恋心に揺れる真理子。二人の関係はぎくしゃくしたり、惹かれあったりと、微妙な変化を見せます。ストーリーの最後は、コンサート会場に洋平が現れるかどうかで、二人の恋の行方が決まるという展開です。

キャスト

阿部真理子：鈴木保奈美
宮本洋平：柳葉敏郎
野田友子：山口智子
加藤一三：石黒賢
中里剛：中畑清
戸田夏子：比企理恵
立浪滋：岩城滉一（特別出演）
日高恵子：吉川十和子（現・君島十和子）
宮本鉄平：室田日出男
坂口冬美：屋敷かおり
松永秋恵：筒井由美子

スタッフ

監督：井上健
脚本：吉本昌弘
制作：日本テレビ

テーマ曲

主題歌：稲垣潤一「いちばん近い他人」
挿入歌：稲垣潤一の多数の楽曲が使用

『キスの温度〜いちばん近い他人〜』は、バブル期の恋愛模様を象徴するような、トレンディドラマの代表作の一つと言えるでしょう。

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