キチェ県

キチェ県（グアテマラ）

キチェ県は、グアテマラ共和国に位置する県の一つです。特にキチェ族の人々が多数居住していることで知られています。県の中心都市は、サンタ・クルス・デル・キチェです。

人口

キチェ県はグアテマラ国内でも人口が特に多い県の一つで、2002年の調査では総人口は約65万5100人と報告されています。住民の大部分はマヤの末裔で構成されています。

先住民の多くはキチェ語を日常的に使用していますが、ネバフ、チャフル、コツァルの各地域ではイシル語が、ウスパンタン地域ではウスパンテク語が、サカプラス地域ではサカプルテク語がキチェ語と併用されています。また、北東部にあるアルタ・ベラパス県との境界地域では、ポコムチ語やケクチ語も話されています。

地理

キチェ県の地形は多様性に富んでおり、県全体の約79%を中央高地、シエラ・デ・ロス・クチュマターネス山地、シエラ・デ・チュアクス山地、そして南西部の火山地帯の山地が占めています。残りの約21%は熱帯の低地で、主に県北部に広がっています。

県内には、サリナス川、モタグァ川、ハクルバル川、イシュカン川といった主要な河川が流れています。サリナス川は、支流であるチクソイ川を含めた流域面積が3668平方キロメートルに及び、最終的にはウスマシンタ川へと合流します。モタグァ川の流域面積は支流のリオグランデ川を含めて1042平方キロメートルです。ハクルバル川（流域面積779平方キロメートル）とイシュカン川（流域面積187平方キロメートル）は、県の北東部を流れています。また、サンタ・クルス・デル・キチェ市にはレモア湖、ラ・エスタンシア湖、サン・アントニオ・イロテナンゴ市にはサン・アントニオ湖といった湖沼も点在しています。

観光

キチェ県には、チチカステナンゴの市街地やクマルカフの遺跡といった主要な観光地があります。クマルカフの他にも、チチカステナンゴ市のパスクアル・アバフ、サン・アンドレス・サフカバハ市のサン・アンドレスの丘、カニージャ市のロス・セリトスとラ・ラグーナなど、先史時代の史跡がいくつか存在しますが、そのほとんどは祭祀場として使用されていた場所です。チチカステナンゴとネバフには、地域の歴史や文化を紹介する博物館が設置されています。

チチカステナンゴのサント・トマス教会をはじめとして、県内の多くの町には植民地時代に建てられたカトリック教会が今も残っており、歴史的な景観を伝えています。

また、チャフルの北方、イシル族の居住地域には、ビシス・カバ生物圏保護区があり、県内唯一の自然保護区として貴重な生態系を保護しています。

下位行政区

キチェ県は、下記の21の市によって構成されています。

1. カニージャ市 (Canillá)
2. チャフル市 (Chajul)
3. チカマン市 (Chicaman)
4. チチェ市 (Chiché)
5. チチカステナンゴ市 (Chichicastenango)
6. チニケ市 (Chinique)
7. クネン市 (Cunén)
8. ホヤバフ市 (Joyabaj)
9. ネバフ市 (Nebaj)
10. サカプラス市 (Sacapulas)
11. パツィテ市 (Patzité)
12. パチャルム市 (Pachalúm)
13. プラヤ・グランデ・イシュカン市 (Playa Grande Ixcán)
14. サン・アンドレス・サフカバハ市 (San Andrés Sajcabajá)
15. サン・アントニオ・イロテナンゴ市 (San Antonio Ilotenango)
16. サン・バルトロメ・ホコテナンゴ市 (San Bartolomé Jocotenango)
17. サン・フアン・コツァル市 (San Juan Cotzal)
18. サン・ペドロ・ホコピラス市 (San Pedro Jocopilas)
19. サンタ・クルス・デル・キチェ市 (Santa Cruz del Quiché)
20. ウスパンタン市 (Uspantán)
21. サクアルパ市 (Zacualpa)

もう一度検索