キネマ旬報

キネマ旬報 (キネマじゅんぽう)

「キネマ旬報」は、映画に特化した日本の著名な雑誌で、1919年7月11日に創刊されました。発行は株式会社キネマ旬報社が行い、一般的には「キネ旬」として親しまれています。この雑誌は、映画作品のレビュー、業界ニュース、新作映画の詳細な紹介を特色としており、長年にわたり日本映画界において重要な役割を果たしてきました。

歴史の概要

創刊当初、「キネマ旬報」は東京高等工業学校の学生たちによって、アート紙4ページの外国映画専門の雑誌としてスタートしました。翌1923年、関東大震災で社屋が被災しましたが、兵庫県や大阪に編集拠点を移して刊行を続けました。このように、雑誌の発行は阪神間のモダニズムにも寄与しました。

1940年に戦時煽動のため一時停止し、『映画旬報』に名称を変更しましたが、1946年に復業。1950年に一旦休刊した後、同年10月に復刊し現在の形に至ります。知識の蓄積と詳細な情報は、映画ファンや研究者にとって貴重なデータベースとなっています。

現在の発行体制と内容

2023年から月間誌に変更され、発行頻度が減少しましたが、内容は充実しており、新作映画の詳細な紹介や映画業界の動向、特集号にも力を入れています。また、例年2月には「キネマ旬報ベスト・テン」を発表しており、これは日本の映画賞の中でも特に権威のあるものです。読者や映画評論家による選考で作られたランキングは、映画界での評価指標となることが多いです。

キネマ旬報ベスト・テン

キネマ旬報は、映画の評価制度として「キネマ旬報ベスト・テン」を持っています。1924年から始まり、外国映画に加え、1926年からは日本映画も選出対象となりました。この賞は毎年、映画評論家や新聞記者らによって選ばれた評価者の個性的な視点が反映されており、通常のヒット作とは一線を画した多様な作品がピックアップされます。受賞内容は全国紙などでも取り上げられ、その年の映画トレンドを反映しています。

キネマ旬報がもたらした影響

長年にわたるキネマ旬報の存在は、日本映画の発展に寄与し続けています。その特集記事や映画批評は、映画同好の士だけでなく、広い視点から映像文化を迎え入れる人々にも影響を与えています。さらに、オンラインでの情報提供への移行も進み、現在では電子化されたデータへのアクセスも可能になっています。歴史と革新をバランスよく持つ「キネマ旬報」は、今後も映画文化の一翼を担っていくでしょう。

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