キプロスの副大統領

キプロス副大統領

キプロス副大統領は、キプロス共和国における政府の要職であり、大統領に次ぐ第2位の地位を占めます。この役職は、1960年に制定されたキプロス憲法によって定められました。

歴史的背景

1960年憲法では、副大統領はトルコ系キプロス人コミュニティから選出されることが義務付けられていました。これは、ギリシャ系キプロス人とトルコ系キプロス人の間の権力分担を意図したものでした。さらに、憲法では3つの閣僚ポストがトルコ系住民に割り当てられ、これらの閣僚は副大統領によって任命されることになっていました。

しかし、1963年12月に両コミュニティ間の紛争が激化し、トルコ系キプロス人は政府への参加を停止しました。これにより、副大統領の地位は事実上機能しなくなり、以降、トルコ系住民がこの役職に就くことはありませんでした。

1974年には、トルコ軍によるキプロス侵攻が行われ、島の北部がトルコ系キプロス人によって占領されました。これにより、キプロスの分断が決定的なものとなり、副大統領の地位は名目的なものとなりました。1974年以降、副大統領は空席のままとなっています。

現在の状況

現在、キプロス共和国政府は、副大統領を任命していません。この地位は、依然として憲法上は存在するものの、実質的には機能していません。キプロスの政治状況は複雑であり、ギリシャ系キプロス人とトルコ系キプロス人の間の対立は依然として続いています。副大統領の地位が再び有効になるためには、両コミュニティ間の合意と、キプロスの将来に関する政治的な解決策が必要です。

歴代副大統領

以下は、キプロス共和国の歴代副大統領の一覧です。

ファジル・キュチュク (1960-1973)
ラウフ・デンクタシュ (1973-1974)

まとめ

キプロス副大統領は、かつてはキプロスの政治において重要な役割を果たしていましたが、1963年以降は政治的な混乱と分断により、その機能は停止しています。この地位が再び活性化されるかどうかは、キプロスの将来と両コミュニティ間の関係に大きく左右されるでしょう。

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