キム・アレン

キム・ブライアント・アレン（Kim Bryant Allen）は、1953年4月5日にアメリカ合衆国カリフォルニア州で生まれた元プロ野球選手です。主に外野手としてプレーしました。

プロキャリアの始まりとアメリカ球界での活躍

カリフォルニア大学リバーサイド校で野球に打ち込んだ後、1975年にドラフト外でカリフォルニア・エンゼルスに入団し、傘下のA級リーグでプロとしての第一歩を踏み出しました。翌1976年にはメキシカンリーグでのプレーも経験しています。

エンゼルス傘下を出た後も、ボルチモア・オリオールズやピッツバーグ・パイレーツといった球団の下部組織を渡り歩き、1980年にシアトル・マリナーズの組織へ移籍しました。この年、マイナーリーグの最高峰であるAAA級スポケーン・インディアンスで目覚ましい活躍を見せます。特に、35試合連続安打という驚異的な記録を樹立したほか、年間を通じて84個もの盗塁を成功させ、見事にリーグの盗塁王に輝くなど、その圧倒的なスピード能力を遺憾なく発揮しました。

こうした活躍が認められ、1980年9月にはついにメジャーリーグへの昇格を果たします。短い期間ではありましたが、同年9月19日の試合で1試合3盗塁を記録するなど、わずか1ヶ月ほどで10個の盗塁をマーク。メジャーの舞台でもその俊足が通用することを証明しました。

翌1981年にはメジャーでの更なる活躍が期待されましたが、このシーズンの出場機会は19試合に留まり、その大半が代走としての起用となりました。

日本球界・阪神タイガースでの挑戦

活躍の場を求めたアレンは、1982年に日本プロ野球の阪神タイガースへ入団します。持ち前の俊足を生かしたプレーが期待されました。

阪神での1年目、1982年シーズンは、夏場に怪我で戦線を離脱する時期があったものの、それでも22個の盗塁を記録し、チームに貢献しました。特に、初出場・初先発となった1982年4月3日の対横浜大洋ホエールズ戦（横浜スタジアム）では2番・中堅手としてスタメン出場。さらに、1982年4月13日の対広島東洋カープ戦（阪神甲子園球場）では、1回裏に相手投手・高橋直樹からプロ入り後、そしてNPBでの初本塁打となるソロホームランを放つなど、ファンにその存在を印象付けました。

翌1983年も引き続き阪神と契約を結びましたが、前年から課題として指摘されていた打撃力の不足を克服するには至らず、このシーズン限りで阪神タイガースを退団することとなりました。日本での通算成績は打撃面で目覚ましい数字を残すことはできませんでしたが、そのスピードは日本のファンにも強く記憶されています。

主な記録と背番号

NPBでの主な記録

初出場・初先発出場：1982年4月3日、対横浜大洋ホエールズ1回戦（横浜スタジアム）、2番・中堅手として先発出場
初本塁打：1982年4月13日、対広島東洋カープ1回戦（阪神甲子園球場）、1回裏に高橋直樹からソロ

背番号

20（1980年）
2（1981年）
* 40（1982年 - 1983年）

アレンは、その俊足で日米の野球ファンを魅了した選手でした。

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