キム・ヒョンテ

大韓民国ソウル特別市に生まれたキム・ヒョンテ氏（1978年2月 - ）は、革新的なキャラクターデザインとダイナミックなアートスタイルで世界的に知られるゲームクリエイター兼イラストレーターです。

略歴と人物像

学生時代は漫画家を志していましたが、中央大学芸術学部視覚デザイン学科を中退後、ゲーム業界へとキャリアの舵を切りました。現在も生まれ故郷であるソウルを拠点に活動しています。私生活では、同じくデザイナー・イラストレーターとして活躍するKKUEM氏を妻に持っています。

独自のアートスタイル

彼のイラストレーションにおける最大の特徴は、あおり構図を多用し、キャラクターの身体の一部を大胆に強調する表現技法です。これにより、被写体に強烈なインパクトと躍動感を与えています。また、光と影を巧みに操り、独特の深みを持つ陰影を表現した「塗り」の技術は特に高い評価を得ており、彼の作品を唯一無二のものとしています。

影響と交友関係

日本のイラストレーターである村田蓮爾氏や、カプコンのデザイナーからも影響を受けたと公言しており、日本の漫画も多数所持しているといいます。日本語も多少読解できるなど、日本のサブカルチャーへの造詣の深さも伺えます。キャリアを通じて、作曲家のESTi氏とは20年来の親友であり、ゲーム『デスティニーチャイルド』のタイトル名付け親やゲーム内BGM担当など、共にクリエイティブな活動を行っています。

経歴

キム・ヒョンテ氏のプロとしてのキャリアは、1997年の漫画公募展での入賞に端を発しますが、ゲーム業界での活動は1999年に株式会社SOFTMAXへ入社したことから本格化します。『創世記戦3』シリーズでは、3Dオープニングビジュアルやメインキャラクターデザイン、イラスト制作を手がけ、早くからその才能を発揮しました。続く『マグナカルタ』シリーズでも主要キャラクターデザインを担当し、独自のアートスタイルを確立します。2001年には初の画集『Oxide』を出版し、アーティストとしても認知されました。2008年にはNCSoftに移籍し、人気オンラインRPG『ブレイドアンドソウル』ではアートディレクターとして開発を牽引しました。2014年には自身のゲーム開発スタジオ、SHIFT UPを設立し独立。同スタジオからリリースされたモバイルRPG『デスティニーチャイルド』（2016年）では、ディレクターとメインキャラクターデザインを兼任し、大きな成功を収めます。さらに、全世界でヒットを記録したモバイルシューティングゲーム『勝利の女神:NIKKE』（2022年）や、PlayStation 5向けのアクションゲーム大作『Stellar Blade|Stellar_Blade』（2024年）でも、メインキャラクターデザインやディレクションを担当し、その存在感を示し続けています。

代表作品

彼が主要な役割を担ったゲームタイトルには、『The War of Genesis III』、『マグナカルタ』、『マグナカルタ2』、『ブレイドアンドソウル』、『デスティニーチャイルド』、『勝利の女神:NIKKE』、『Stellar Blade|Stellar_Blade』などがあります。また、イラスト集としては『OXIDE』、『OXIDE 2 Carta Numinous』、『Oxide 2x』などを出版しており、小説『ばいばい、アース』の挿絵も手がけています。

その挑戦的なスタイルと絶えず進化し続けるクリエイティブは、今後も多くのファンを魅了し続けることでしょう。

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