キモグリバエ

キモグリバエとは

キモグリバエは、ハエ目（双翅目）キモグリバエ科（Chloropidae）に属する昆虫の総称です。世界中で約160属2000種が確認されており、その多様性が特徴です。一部の種の幼虫は、イネやムギなどの穀物を食害するため、農業分野では害虫として認識されています。

形態

キモグリバエは比較的小型のハエであり、成虫の体長は約1.5mmから5.0mm程度です。体色は種によって異なり、黒色、黄色、赤色など様々です。体表に黒色や赤色の縞模様を持つ種もいます。多くの種において、額の単眼三角区が大きく、光沢があるのが特徴的です。

生態と食性

キモグリバエの食性は非常に多様です。腐食性のもの、植物を食べるもの（植食性）、肉食性のもの、虫こぶを形成するもの、さらには他の昆虫に寄生するものまで、多岐にわたる食性を持つ種が存在します。特に、幼虫がイネを食害するイネキモグリバエ Chlorops oryzae や、ムギを食害するムギキモグリバエ Meromyza nigriventris は、農業において重要な害虫として扱われています。

分布

キモグリバエは、南極大陸を除くほぼ全世界に分布しています。これまでに確認されている種は約160属2000種に及びます。日本国内においては、Kanmiya (1983) の研究によって52属145種が記録されています。この記録からも、日本国内におけるキモグリバエの多様性が窺えます。

人間との関わり

キモグリバエは、農業害虫として問題となる一方で、生態系においては分解者や他の生物の餌となるなど、様々な役割を担っています。キモグリバエに関する研究は、農業分野における害虫防除だけでなく、生態系の理解を深める上でも重要です。

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