キャピタル・レディオ

ザ・クラッシュ「キャピタル・レディオ」：ラジオ批判とユーモアの融合

「キャピタル・レディオ」は、イギリスのパンクロックバンド、ザ・クラッシュが発表した楽曲であり、同名のEPのタイトルとしても知られています。この曲は、当時のロンドンのコマーシャルラジオ局、キャピタル・レディオの音楽方針に対する痛烈な批判を込めた内容となっています。

楽曲の背景と内容

オリジナルバージョンの「キャピタル・レディオ」は、2分7秒（または2分9秒）という短い時間の中に、ザ・クラッシュのメッセージが凝縮されています。歌詞では、メインストリームのヒット曲ばかりを流し、パンク音楽を顧みなかったラジオ局の方針を批判。音楽チーフの名前を挙げ、「奴はヒット曲ばかりを流す / お前らはラジオの前に釘付けだ」と挑発的な言葉を投げかけています。

曲の終盤では、キャピタル・レディオの実際のジングルをパロディ化。「ロンドンに周波数を合わせてください」というフレーズを「何にも周波数を合わせるな」と言い換えることで、反体制的な姿勢を鮮明に打ち出しています。

この楽曲は、以下のアルバムやEPに収録されています。

『キャピタル・レディオ』（1977年）
『ブラック・マーケット・クラッシュ』（1980年）
『クラッシュ・オン・ブロードウェイ』（1991年）
『ザ・ストーリー・オヴ・ザ・クラッシュ』（1988年）
『ライヴ・クラッシュ』（1999年）
『エッセンシャル・クラッシュ』（2003年）
『the CLASH SINGLES '77-'85』（2006年）

キャピタル・レディオ EP

1977年4月1日に録音された7インチシングル盤のEPは、ニュー・ミュージック・エクスプレス誌に印刷されたクーポンと、ファーストアルバム『白い暴動』に貼られた赤いステッカーを合わせて送り返すと入手できるという、ユニークな形式でリリースされました。プロデュースはミッキー・フット、エンジニアはサイモン・ハンフリーが担当。

収録曲

A面:
キャピタル・レディオ
インタヴュー: トニー・パーソンズ、ザ・クラッシュ
B面:
リッスン

キャピタル・レディオ・ツー

1978年から1979年の間、「キャピタル・レディオ」EPは非常にレアなアイテムとなり、高値で取引されるようになりました。それを受けてバンドは、「キャピタル・レディオ・ツー」を制作。このバージョンは、1979年5月11日にEP『コスト・オブ・リヴィング』に収録され、7インチ・シングルフォーマットでリリースされました。

「キャピタル・レディオ・ツー」は、イントロとアウトロが追加されたことで、オリジナルよりも全長が長くなっています。このバージョンは、『スーパー・ブラック・マーケット・クラッシュ』（1994年）や『the CLASH SINGLES '77-'85』（2006年）にも収録されています。

「キャピタル・レディオ」は、既存の権威や体制に抵抗するザ・クラッシュの姿勢を象徴する楽曲であると同時に、彼らのユーモアセンスが光る作品としても評価されています。

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