キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-

キャプテンハーロック - SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK -

2013年に公開された『キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』は、人気漫画『宇宙海賊キャプテンハーロック』のリブートとして登場した3D CGアニメ映画です。製作には数十億円が投じられ、国内外での展開が期待されました。映画のキャッチコピーは2つあり、一つは「己を縛るものと闘え」、もう一つは「世界を変えたければ、この艦に乗れ」です。

制作の背景

映画の企画は2008年に始まり、監督の荒牧伸志は東映アニメーションから新作の依頼を受けました。当初は技術的な方針が定まっていなかったものの、その後、プロデューサーの池澤良幸との出会いを通じて、「世界標準の高品質3DCGアニメーション」としての方向性が見えてきました。そうして、マーザ・アニメーションプラネットで制作されたパイロット映像が2010年に完成し、以後は本格的なキャラクター開発へと進みました。

2011年にはモーションキャプチャの収録に入り、4つのブロックに分けて製作され、2012年には全体が完成しました。公開前の予告編映像が人気を博し、著名な映画監督ジェームズ・キャメロンからはそのクオリティを賞賛されました。また、2013年にはヴェネツィア国際映画祭でも上映されるなど、注目を集めました。

技術と革新

本作の制作には、国内で初めて導入されたレイトレーシングレンダラー「Arnold」が使用されました。これによりリアルな映像表現が実現され、また「Faceware」フェイシャルキャプチャーシステムも採用されました。この3D映画は、立体感を生かした演出が施されており、特に2Dから3Dに変換されているため、視覚的な迫力があります。

興行成績と評価

映画は日本国内303館578スクリーンで公開され、初週末の興行収入は約1億3400万円を記録しました。しかし、期待されていたほどの集客は得られず。制作費の回収が懸念されていました。一方で、フランスやイタリアでは好調な興行成績を収めています。日本国内では最終的に5億円の興収に終わりました。その後、アカデミー賞での受賞歴が評価を高め、特にアニメーション部門での優秀賞を受賞するなど、評価は高まっています。

物語と登場人物

物語は未来の宇宙を舞台に、衰退する人類が地球への帰還を望む中で、血で血を洗う「カム・ホーム戦争」が勃発するところから始まります。人類を統治する「ガイア・サンクション」に反発し、宇宙の深淵を旅し続ける海賊キャプテンハーロックが描かれています。彼はかつて英雄と呼ばれたが、罪を背負いながら自由を求め続ける存在です。

主な登場人物には、ガイア・サンクションの工作員ヤマや、異星文明の生存者ミーメ、さらにはハーロックの仲間であるヤッタランやケイが登場します。それぞれのキャラクターは、ハーロックの物語に深みを与える重要な役割を果たしています。

メカデザイン

ハーロックが乗る「アルカディア号」は、1072メートルにも及ぶ大きさを持ち、強力な武装を施されています。特に、艦首に刻まれた髑髏のデザインが特徴的で、かつ自己修復機能を有しています。この艦は、物語の中で重要な役割を果たします。

音楽と映像美

音楽は高橋哲也が手掛け、主題歌にはONE OK ROCKの「Be the light」が使用されています。音楽は映画全体の雰囲気を引き立て、視覚的な要素とも相まって、視聴者に深い感動を与えます。

まとめ

『キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』は、映像表現の革新とドラマティックなストーリーが融合した作品です。独自の世界観とキャラクターたちが魅力的で、観る人を引き込む力を持っています。アニメやSF作品好きには必見の作品と言えるでしょう。

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