キャロル・ダンバース

キャロル・ダンヴァース：ミズ・マーベルからキャプテン・マーベルへ

キャロル・ダンヴァースは、マーベル・コミックに登場する重要なスーパーヒロインであり、そのキャラクターは時代と共に進化を遂げてきました。1968年にアメリカ空軍の少佐として初登場して以来、ミズ・マーベル、バイナリィ、ウォーバードといった名を経て、最終的にキャプテン・マーベルとして知られるようになりました。本稿では、彼女の誕生から現在に至るまでの出版史、人物像、能力、そして別世界の彼女について詳しく解説します。

出版史

1960年代

キャロル・ダンバースは、『マーベル・スーパーヒーローズ』誌でアメリカ空軍士官として初めて登場しました。彼女は機密軍事基地の保安責任者として、ウォルター・ローソンと名乗るクリー人のスーパーヒーロー、キャプテン・マーベル（マー・ベル）と出会います。後のエピソードで、ダンバースはクリーの技術で作られた装置の爆発に巻き込まれ、キャプテン・マーベルによって命を救われるものの、深い傷を負います。

1970年代

1977年、ダンバースは超人的な能力を身につけて『ミズ・マーベル』誌で再登場し、主人公を務めます。爆発した装置「サイク・マグネトロン」のエネルギーにさらされたことで、彼女の遺伝子構造がキャプテン・マーベルのものと融合し、地球人とクリー人のハイブリッドとなりました。当初は変身をコントロールできず、一般人としてはNASAを退官して出版業界に入り、『ウーマン・マガジン』の編集者として活動しました。

1980年代

この時期、『アベンジャーズ』誌におけるレイプを暗示するような描写や、ミュータントのローグにパワーと記憶を奪われるなど、キャロルのキャラクターは様々な困難に直面します。しかし、X-MENとの共闘や宇宙種族ブルードによる人体実験を経て、新たなパワーを得てバイナリィとして覚醒。恒星レベルのエネルギーを操る能力を獲得しました。

1990年代

1992年には『ミズ・マーベル』誌の未発表原稿が掲載され、その後ウォーバードとしてアベンジャーズに再加入。アルコール依存症に苦しむ姿が描かれるなど、キャラクターに深みが加わりました。

2000年代

リミテッド・シリーズ『ハウス・オブ・M』では、「キャプテン・マーベル」として華々しい活躍を見せます。その後、『ミズ・マーベル』誌が再発刊され、『シビル・ウォー』ではスーパーヒューマン登録法支持者として重要な役割を果たしました。

2010年代

2012年、キャロル・ダンバースはついにキャプテン・マーベルの名を受け継ぎ、新たなシリーズが開始されました。コスチュームも刷新され、自身の過去と向き合いながら、マーベル・ユニバースにおける重要な存在感を確立していきます。

人物像

キャロル・ダンバースは、当初男性ヒーローの相手役として創造されましたが、長年の刷新を経て、独立したヒーローとして確立。「マーベル最大の女性ヒーロー」「フェミニストの象徴」とも呼ばれるようになりました。

スーパーパワーと技能

キャロル・ダンバースは、超人的な筋力、持久力、飛行能力に加え、「第七感」と呼ばれる限定的な予知能力を持っています。バイナリィ形態では、恒星エネルギーを自在に操ることができました。現在では、エネルギー吸収能力を駆使し、指先から強力なエネルギーブラストを放つことができます。また、諜報活動、航空機操縦、格闘戦、射撃にも優れています。

別世界のキャロル・ダンバース

キャロル・ダンバースは、様々なパラレルワールドにも存在します。「エイジ・オブ・アポカリプス」ではスーパーパワーを持たないものの、英雄的な行動を見せます。「アルティメット・マーベル」ではS.H.I.E.L.D.長官として活躍するなど、多岐にわたる活躍を見せています。

MCU版

マーベル・シネマティック・ユニバース（MCU）では、ブリー・ラーソンがキャロル・ダンバース／キャプテン・マーベルを演じています。彼女は記憶喪失の状態から、自身の過去と向き合い、銀河の平和を守るヒーローとして成長していきます。アベンジャーズの一員として、サノスとの戦いでも重要な役割を果たしました。

キャロル・ダンバースは、その長い歴史の中で、多くのファンに愛されてきたキャラクターです。彼女の強さ、勇気、そして人間性は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

もう一度検索