キュー (コンピュータ)

キュー（Queue）

キューは、コンピュータサイエンスにおいて基本的なデータ構造の一つとして認識されています。このデータ構造は、データを先に入れたものが先に出る、いわゆる先入れ先出し（FIFO）の原則に基づいて運用されます。キューからデータを取り出す際には、先に入れられたデータから順番に取り出されるため、時間的な整合性を保ちながらデータの処理が行われます。データをキューに追加する操作を「エンキュー」と呼び、取り出す操作を「デキュー」と言います。

キューの用途

キューは、様々な実用的な場面で利用されます。例えば、プリンタへの出力処理や、ユーザーインターフェースにおけるイベントハンドリングにおいて、データは通常、入力された順番に処理される必要があります。また、プロセスの管理や非同期タスクの管理にも活用されます。特にタスクの実行時間が不確実な場合には、キューにタスクを蓄積し、時間が確保できた際に非同期的に処理することが可能です。

両端キューとスタック

キューには変形があり、両端からデータを入出力できる両端キューも存在します。逆に、後入れ先出しのデータ構造はスタックと呼ばれ、これは最後に入れたデータが最初に出てくる特性を持っています。プログラミング言語によっては、キューが標準ライブラリとして提供されているため、開発者は自分でキューを実装する必要がありません。もし標準のキューが用意されていない場合でも、他のデータ構造、例えばリンクリストを利用してキューとして機能させることができます。

優先度付きキュー

優先度付きキューは、通常のキューに優先度が組み合わさったもので、各要素はその優先度に基づいてソートされます。これにより、重要なタスクが素早く処理できるようになり、コンピュータ科学の分野では多くの効率的なアルゴリズムが研究されています。

キューの具体的な応用

1. メッセージキュー: 通信を行うために使用されるキューで、UNIXシステムではメッセージの送信と受信のためのシステムコールが存在します。データの送信先は同じプロセスでも他のプロセスでも構いません。
2. コマンドキュー: ソフトウェアやハードウェアに指示を出すためのキューです。特に、グラフィックスハードウェアとの通信において、命令を非同期に処理するために利用されます。
3. タスクキュー: これは、さまざまな処理を一時的に保管するためのキューで、通常はワーカースレッドやサービスプロセスにタスクを委託するために使われます。

キューマシン

キューマシンは、中間的な結果を保管するためにキューを使用する計算モデルです。このモデルでは、エンキューされたデータを用いて演算が行われ、結果はデキューを通じて取り出されます。キューマシンもスタックマシンのように、特定の命令で表現することができ、データフローに沿った命令の実行はこの構造の特徴とされています。

関連項目

• - 待ち行列理論
• - スプーリング
• - データ構造
• - Bufferbloat

キューは、コンピュータの処理において不可欠な要素であり、さまざまなアルゴリズムや技術に応用されています。キューの利用を理解することで、より効率的なプログラム設計が可能となります。

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