キューティーハニー (パチスロ)

『キューティーハニー』は、2006年にエレコ（現ユニバーサルエンターテインメント）から発売された5号機のパチスロ機です。永井豪氏による同名漫画作品とのタイアップ機であり、その世界観をパチスロで再現しています。

基本仕様

本機は、5号機の特徴である「重複フラグ」と呼ばれる、複数のフラグが同時に成立するシステムを利用しています。通常時は左リール中段にチェリーが停止するとボーナスが確定します。その他、左リール中段にベルが停止する2枚役（約1/13）や、中段にスイカが揃った場合（約1/10）など、小役成立時にボーナスが同時成立する可能性があります。

有効ラインは中段1ラインのみですが、リール制御によって通常時は5ライン機のような動きをします。ただし、見た目上は小役が揃っているように見えても、実際には小役が成立していない（メダルの払い出しがない）ケースがあり、その場合はボーナスが確定するという演出も搭載されています。ボーナスはビッグボーナスのみで、レギュラーボーナスは存在しません。

ボーナスとリプレイタイム（RT）

ビッグボーナスは441枚以上の払い出しで終了（獲得枚数は約310枚）し、終了後には必ずリプレイタイム（RT）である「キューティーゲーム」に突入します。

キューティーゲームは、1ゲームあたり約0.5枚の純増が見込めます。RTの終了条件は、ボーナス成立、500ゲーム消化、または2枚役の入賞です。2枚役の抽選確率は1/128であり、ボーナスが成立すればRTが継続し、大量獲得のチャンスが生まれます。

2枚役成立時には、リプパンはずしと呼ばれる入賞回避打法が存在します。特定演出時に逆押しで右・中リールを停止させ、特定の出目が出現した場合に左リールを空回しすることで、2枚役の入賞を回避するという手順です。しかし、以下の理由から実用的な攻略法とは言えません。

空回しが必要なため、プレイ効率が大幅に低下する。
2枚役成立時に特定演出が発生する確率が低く、ほとんどの場合は準備をする間もなくパンクしてしまう。
パンク回避が成功する頻度が低い（2枚役成立時の約1/13程度）。
ハズレの場合でも特定の演出と出目が出現するため、パンク回避に成功したかどうかを判別することが困難。

その他の機能

アルゼ系パチスロ機の特徴である、リール窓周囲の液晶画面（アルゼディスプレイ）では、キューティーハニーのアニメキャラクターが所狭しと動き回る演出が展開されます。ビッグボーナス中には、新録された「キューティーハニーのテーマ」とともにアニメーションが流れ、盛り上がりを演出します。また、ビッグボーナス終了後に画面にQRコードが表示され、読み込むことで特製のハニーグッズ（携帯電話用の待ち受け画面や着信ボイスなど）を入手できるという、当時としては新しい試みも導入されました。

2007年には、派生機種として「スーパーキューティーハニー」が発売されました。主な変更点は、キューティーゲームの継続ゲーム数が最大999ゲームに増加した点です。

本機は、人気アニメの世界観を忠実に再現しつつ、重複フラグやRTなどのシステムによって、パチスロとしてのゲーム性も追求した一台と言えるでしょう。

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