キューネ・アンド・ナーゲル

キューネ・アンド・ナゲルの歴史と事業概要

キューネ・アンド・ナーゲル（Kuehne + Nagel）は、世界100カ国以上で事業を展開するグローバルなロジスティクス企業です。海上輸送や航空輸送を主な事業とするフォワーダーとして、幅広い物流ソリューションを提供しています。スイスに本社を置き、スイス証券取引所にも上場しています。

創業から第二次世界大戦まで

1890年、ドイツ・ブレーメンでAugust KühneとFriedrich Nagelによって設立されました。当初は綿の輸送を主に行っていましたが、その後ハンブルクへ拠点を移し、事業を拡大していきました。第二次世界大戦中は、ナチス・ドイツの政策に協力し、ユダヤ人からの財産略奪に関与したという過去も抱えています。同社は2015年にこの過去について公式に謝罪声明を発表しています。

戦後からの発展とグローバル化

戦後の復興を経て、1950年代にはカナダや南米へ進出。1969年には主要機能をブレーメンからスイスのシンデレギへ移転し、1976年には本社を同地へ正式に移転しました。1990年には東ドイツのDeutransを買収、冷戦終結後には北欧やロシアにも事業を拡大しました。1994年にはスイス証券取引所に上場を果たし、グローバル企業としての地位を確立していきます。

その後も積極的なM&Aを展開し、2001年にはUSCO Logistics Inc.（アメリカ）、2017年にはCommodity Forwarders Inc.（アメリカ）を買収するなど、事業領域を拡大しました。これらの買収により、特にアメリカにおける航空フォワーダー市場でのシェアを大きく伸ばしました。

多様な事業とグローバルなネットワーク

現在、キューネ・アンド・ナーゲルは世界100カ国以上で1200以上の拠点、7万人以上の従業員を擁する巨大企業に成長しています。取り扱う貨物は船舶部品から生鮮食品、医療・医薬品まで多岐にわたり、契約物流や展示会・イベント輸送といった幅広いソリューションを提供しています。

日本における事業

日本においては1982年から事業を展開しており、東京本社をはじめ、大阪、名古屋、福岡などに拠点を構えています。

まとめ

キューネ・アンド・ナーゲルは、綿の輸送から始まった小さな企業から、世界的なロジスティクス企業へと成長を遂げました。その過程には、ナチス協力という暗い歴史も含まれていますが、現在ではグローバルなネットワークと幅広いサービスによって、世界中の物流を支える重要な役割を果たしています。今後も、世界の経済発展やグローバルサプライチェーンの変化に対応しながら、その事業を拡大していくことが予想されます。

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