キョウエイウオリア

キョウエイウオリア：老兵の栄光と11歳での奇跡

キョウエイウオリアは、日本の競走馬の歴史にその名を刻んだ伝説的な存在です。1989年、11歳（現在の年齢表記では10歳）という高齢ながら中山大障害（春）を制覇し、中央競馬史上、前例のない偉業を達成しました。その驚異的な勝利は、多くの競馬ファンを魅了し、老兵の意地と不屈の精神を象徴する出来事として語り継がれています。

障害競走への転身と初期の活躍

1982年2月、阪神競馬場の4歳新馬戦でデビューしたキョウエイウオリアでしたが、スタート直後のアクシデントにより競走を中止。その後、平地競走で12戦未勝利という苦しい時期を過ごします。しかし、才能を諦めきれなかった関係者は、その潜在能力に着目し、障害競走への転向を決断します。

10月の障害初戦は7着と振るわずも、すぐに才能開花。12月には障害未勝利戦と400万以下を連勝し、オープン入りを果たします。1983年には重賞初挑戦となる阪神障害ステークス（春）で、5番人気ながら見事勝利を収め、その潜在能力を改めて証明しました。しかし、その後は落馬や肩の故障により長期休養を余儀なくされます。

幾多の苦難と復活劇

1984年の復帰後も、キョウエイウオリアは幾多の困難に直面します。思うような成績を残せず苦戦が続いた時期もありましたが、1986年5月、3年3ヶ月ぶりの勝利を挙げると、9月の阪神障害ステークス（秋）でも見事優勝。しかし、その後繋靭帯炎を発症し、再び長期休養を余儀なくされます。

1987年の復帰後も、安定した成績は残せず、年齢による衰えも見え隠れするようになりました。1988年の中山大障害では3着と健闘しましたが、10歳となったその年は思うような結果が残せず、世代交代の波に飲み込まれそうになるなど、厳しい状況が続きました。

中山大障害制覇と伝説へ

1989年、キョウエイウオリアは新たな挑戦として、中山大障害（春）に挑みます。1番人気はエイシンフェアリーでしたが、レース序盤で転倒。キョウエイウオリアは、好位からレースを進め、大生垣を飛越えたところで先頭に立ちます。最後の直線ではチャーチルシンボリ、メジロマスキットの追い上げを振り切り、見事優勝を飾りました。11歳（当時）での重賞制覇は、中央競馬史上初の快挙であり、老兵の意地と底知れない闘志を見せつける圧巻の勝利となりました。この勝利は、多くの競馬ファンに感動を与え、キョウエイウオリアの伝説を永遠に刻み込むことになります。

引退

中山大障害（春）制覇後、キョウエイウオリアは8ヶ月の休養を経て、中山大障害（秋）に出走しますが、4着に終わります。このレースを最後に、輝かしい競走生活に幕を閉じました。キョウエイウオリアの偉業は、競馬史に燦然と輝く金字塔として、後世に語り継がれることでしょう。

血統情報、競走成績

（注：血統表、競走成績などの詳細は、netkeiba.com、スポーツナビ、JBISサーチなどのサイトをご参照ください。）

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