キリグア

キリグア（Quiriguá）

キリグアは、グアテマラのイサバル県モタグア川中流域に位置する古代マヤ文明の遺跡であり、1981年に世界遺産に指定されています。キリグアは、紀元200年ごろから人々が住み始め、5世紀にかけて王朝が形成されました。ここは、重要な交易路の交差点として栄え、様々な貴重品の交易が行われました。

歴史の始まり

キリグアの文化的背景は、コパン王国との密接な関係にあります。426年、コパン王の後見を受けたトク・「キャスパー」王が即位し、キリグアはコパンの衛星都市としての地位を確立しました。この頃に建てられた建物や石碑には、キリグアの歴史や王の祝祭が記録されています。特に、古い石碑Uは480年の日付が刻まれており、この場所での重要な儀式が行われたことを示しています。

自然災害と新たな建設

6世紀には、大規模な自然災害によって古い遺構が覆われましたが、この分厚い層に埋もれることなく、新たな建設が進められました。701年の記録によれば、キリグアの王はグループ1Aで「巨大なアハウの祭壇」を建立しました。これらの新しい建設物には、王権や神々に関連した装飾が施されています。

カック・ティリウ王の治世

724年、カック・ティリウ・チャン・ヨアート王が即位し、その治世の下でキリグアは最盛期を迎えます。彼はコパン王を打倒し、区域の貿易を掌握しました。彼の治世は、建物や石碑の建立が相次ぎ、特に高い石碑が数多く作られました。カック・ティリウの死後、彼の業績は次第に忘れられ、王朝は衰退の道を歩むこととなります。

衰退と滅亡

キリグアの衰退は「空シュル」王の治世に入るころから始まります。王朝の人口も減少し、810年には「ヒスイ空」が即位するものの、キリグアはその後まもなく放棄され、その重要性を失っていきました。しかし、後に新たにやってきた人々が遺跡を再利用し、すぐにまた違った歴史が展開されることとなります。

近現代への旅

キリグアが周知されたのは1840年にさかのぼります。探検家たちによって再発見されたこの地は、以降の考古学的研究の対象となります。1910年にはユナイテッド・フルーツ社により買収され、バナナ農園の開発が進む中で、遺跡の保存活動も始まりました。1970年には国立記念物に指定され、1981年にはその歴史的価値が評価され、世界遺産として認定されました。

登録基準

キリグアは、以下の基準をもとに世界遺産に登録されています：
1. 人類の創造的才能の傑作。
2. 文化圏での建築や記念碑的芸術の発展を示す重要な交流の証。
3. 人類の歴史上重要な時代を象徴する建築様式や技術の集積。

キリグアは、マヤ文明の栄華とその衰退、さらには遺跡の保存と発掘の歴史を物語る貴重な場です。

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