キリスト教愛真高等学校

キリスト教愛真高等学校について

キリスト教愛真高等学校は、島根県江津市に位置する私立の全日制高等学校です。全寮制で男女共学という特徴を持ち、キリスト教の無教会主義の流れを汲む学校として知られています。キリスト教[[学校教育同盟]]にも加盟しており、1988年の開校以来、独自の教育理念に基づいた教育活動を展開しています。

学校の成り立ちと教育理念

学校の設立は、内村鑑三の弟子である高橋三郎が、人間の根本的な問いである「人は何のために生きるのか」を教育の中心に据えるべきだと提唱したことに端を発します。少人数制と全寮制を採用し、生徒一人ひとりに寄り添った教育を目指しています。聖書の教えに基づいた全人教育を通して、平和を愛し、国際的な視野を持った人間形成を目標としています。

沿革

1988年: 学校法人キリスト教愛真高等学校が認可され、多田昌一氏が初代理事長に就任。渡辺晴季氏が初代校長として開校式が行われ、基督教独立学園高等学校、愛農学園農業高等学校と姉妹校提携。
1989年: 第1回愛真アートフェスティバル（文化祭）を開催（第3回からは9月開催）。
1991年: 西田潔氏が第2代校長に就任。キリスト教[[学校教育同盟]]に加盟。
1993年: 三宅登氏が第2代理事長に就任。
1995年: 風間文子氏が第3代校長に就任。
1997年: 創立10周年を記念し、プルム農業高等技術学校（韓国）と姉妹校提携。
1999年: 創立10周年記念事業として特別教室棟と新グラウンドが完成。
2001年: 渡邊信雄氏が第4代校長に就任。
2006年: 佐藤全弘氏が第3代理事長に就任。
2009年: 安昌美氏が第5代校長に就任。
2010年: 創立責任者の高橋三郎氏が逝去。
2012年: 創立25周年記念事業として寮の改修が行われ、第1回ホームカミングデイを開催。

教育の特徴

キリスト教愛真高等学校では、少人数教育を徹底しており、生徒が自ら関心を持って学習に取り組むことを重視しています。詰め込み型の教育ではなく、生徒の自主性を尊重する教育が行われています。また、校内への携帯電話や漫画・雑誌の持ち込みは禁止されており、学習環境が整備されています。

作業を通じた学び

学校生活では、「自分たちの生活は自分たちの手で整える」という理念のもと、週に2回、作業の時間が設けられています。生徒たちは養鶏班、製パン班、菜園班、園芸班、リサイクル班、修繕班、水田山林班、保存食品班に分かれ、それぞれの作業を通して実践的な学びを深めます。さらに、朝、昼、晩の食事も生徒たちが協力して用意しており、自立心を養う教育が実践されています。

礼拝

毎朝と夕方に礼拝の時間が設けられています。朝拝は教員が担当し、夕拝は生徒が輪番制で行うことで、信仰心を育み、自己を見つめ直す機会としています。

平和学習

平和学習にも力を入れており、1年生は広島、2年生は呉・大久野島（毒ガス資料館見学）、3年生は沖縄（米軍基地反対運動の拠点訪問）を訪問します。また、希望者を募り、韓国研修旅行も実施。日本統治時代の歴史を学び、元慰安婦の方々の話を聞き、板門店を見学する中で、過去の歴史を学び、平和について深く考える機会を設けています。

芸術活動

隔週土曜日には、全校生徒参加のクラブ活動として、陶芸、美術、茶道などの芸術活動が行われています。音楽の授業にも力を入れており、特に合唱に力を入れています。

主な行事

AAF(Aishin Art Festival)：文化祭。各学年でのクラス劇やミニライブなどが行われる。
大山登山：1年生全員で鳥取県の大山に登る。
クリスマス礼拝・祝会：外部の方を招いて礼拝を行い、祝会では食事や歌、劇を楽しむ。
卒業音楽会・感話会：卒業式前日に卒業生を送る音楽会を開催。感話会では3年間で感じたことを卒業生が語る。

姉妹校

プルム農業高等技術学校（韓国）
基督教独立学園高等学校
愛農学園農業高等学校

主な出身者

奥田愛基 - 一橋大学大学院生、SEALDs創設メンバー
須澤紀信 - シンガーソングライター

関連書籍

外村民彦『みんなでつくった小さな学校: 愛真高校物語』教文館, 1994年
関千枝子『長い坂―現代女人列伝』影書房, 1989年
無教会史研究会『無教会史 第四期 連帯の時代』教文館, 2002年


キリスト教愛真高等学校は、独自の教育理念に基づき、生徒一人ひとりの成長を大切にする学校です。全寮制という環境の中で、生徒たちは共同生活を通して協調性を養い、様々な活動を通して主体性や自立心を育んでいます。

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