キリスト者共同体

キリスト者共同体（Die Christengemeinschaft）

キリスト者共同体は、「宗教改新運動」とも呼ばれるキリスト教の宗教共同体です。ドイツを中心に活動し、現在では五大陸に教区を持つ国際的な組織です。人智学の影響を受けていますが、アントロポゾフィー協会とは独立した存在です。

概説

キリスト者共同体は、伝統的な教会でキリスト教を見出せない人々に向けて開かれています。所属は個人の自由な意思に委ねられており、告知（広報）、魂の世話、社会福祉などの活動に取り組んでいます。宗教を通して人間の人生におけるあらゆる領域を改新することを目指しています。

礼拝

中心となるのは「人間聖化式」と呼ばれる礼拝です。これは、参列者をキリストの世界と結びつける儀式であり、司祭によって執り行われます。聖餐においてはパンとワインが授けられます。告知、供犠、変容、統合という四つの要素を中心に構成され、祈り、説教、信条、主の祈り、聖歌などが含まれます。祭壇や司祭の服装は、キリスト教の祝祭に合わせて変化します。礼拝は誰でも参加できます。

サクラメント

キリスト者共同体では、洗礼式、堅信式、対話のサクラメント、人間聖化式、結婚式、司祭聖化式、終油式という七つのサクラメントを重視しています。これらの儀式は、人生の重要な瞬間に復活の力を呼び起こすものとされています。また、日曜子供礼拝式や葬儀などの儀式も行われます。

聖書

神を理解するために、新約聖書を重視しています。イエス・キリストを人間となった神の子として捉え、その十字架と復活を通して罪からの解放を目指します。聖書解釈は拘束的ではなく、修行のための本として理解されています。人智学は、聖書の理解を深めるための手段として用いられます。

教義と告知

多くの講義、考察、説教、講座、意見交換会を開催しています。出版物も充実しており、祭儀と福音を通して、復活したキリストを理解しようとしています。教えに関して拘束力のある見解や権威は持たず、教える者は自己責任において言葉を語ります。

未成年に対する活動

サクラメントと授業を通して、子どもたちがキリストを意識的に体験できるように努めています。洗礼や堅信式、子どもの礼拝、宗教授業などが行われます。ただし、洗礼や堅信式を受けただけでは成員とは見なされず、後の人生で自らの意思で決める必要があります。

成員

共同体への支持と経済的な援助を希望する者は、司祭との対話を経て成員となることができます。成員になることは、共同体との一体感と責任を意味しますが、特別な権利は伴いません。

死

人間の霊は死後、霊的な存在へと移行すると考えられています。キリスト者共同体は、死にゆく人に寄り添い、懺悔の対話、聖体拝領、終油式などを行います。葬儀は、霊界への旅立ちを助ける儀式です。

司祭

司祭は、シュトゥットガルト、ハンブルク、シカゴにある自由大学（司祭学校）で約4年間の教育を受けます。理論的な専門講座に加え、哲学、人智学、自然科学、芸術活動、社会奉仕活動など、幅広い分野を学びます。司祭聖化式は、男女平等に行われます。

組織構成

独立した集会（ゲマインデ）から構成され、集会は自らを秩序付け、有機体を形成します。複数の集会が地域代表に属し、地域代表の上に三人の代表が立ち、その上に総代表がいます。

歴史と広がり

1922年に設立され、ルドルフ・シュタイナーの助言を受けながら発展しました。ドイツ語圏以外にも、北欧、フランス、イギリス、アメリカ、南米、南アフリカ、オーストラリアなど、世界中に広がっています。日本では2000年に東京集会が設立されました。

規模

積極的に広報活動は行いますが、宣教や布教は行いません。信者数は多くなく、世界全体で10万人規模と推定されています。洗礼や堅信式を受けた未成年者は、この数に含まれていません。

外部リンク

* キリスト者共同体東京集会

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