キンボール・インターナショナル

キンボール・インターナショナルの歴史と現代の展開

キンボール・インターナショナルは、オフィスやホスピタリティ向けの家具を製造・販売する企業であり、1867年に創業されたW.W.キンボール・アンド・カンパニーの流れを組んでいます。この会社は、歴史的に世界で最大のピアノとオルガンの製造業者として知られ、その後、三つのブランド「キンボール・オフィス」、「ナショナル・オフィス・ファーニチャー」、「キンボール・ホスピタリティ」を展開しています。

創業から19世紀の成長

キンボール・インターナショナルは、ウィリアム・ウォレス・キンボールがシカゴに設立したピアノ販売業者から始まりました。当初は宝石店の一角で営業をしていましたが、次第にクロスビーズ・オペラ・ハウスに移転し、東海岸の多くのピアノメーカーの製品を扱うようになりました。

1871年にシカゴ大火がビジネスを破壊したものの、キンボールはすぐに自宅を拠点として商業活動を再開しました。1877年には、リード・オルガンの製造を開始し、1882年には法人化され、工場を新設。ここからオルガンの生産規模が徐々に拡大し、世界最大のオルガン製造業者としての地位を確立しました。1922年までに403,390台ものオルガンを生産しました。

また、1887年からはピアノ製造に乗り出し、高品質の楽器を生産しました。特に1893年にシカゴ万博での受賞は、会社の評判を大きく高めました。さらに、自動演奏機能を備えたピアノの製造にも取り組み、1915年から1925年にかけて蓄音機も製造しました。

戦争と経営の変遷

第二次世界大戦中は、航空機の部品を製造し、戦後にピアノの生産が再開されましたが、経営は難航しました。1950年代にはメルローズ・パークに新工場を建設しましたが、生産性の低さが問題となり、企業は厳しい状況に見舞われることに。1959年、W.W.キンボール・カンパニーはアーノルド・F・ハビッグに買収され、ジャスパー・コーポレーションの完全子会社となりました。

その後、キンボールはインディアナ州での新たな工場で製造を行うようになり、ピアノ製造業として再び成長を遂げました。1969年には世界最大のピアノ製造会社としての地位を回復しました。

現代のキンボール・インターナショナル

キンボール・インターナショナルは2014年にキンボール・エレクトロニクスを分社化し、その後は主に家具製造に特化しました。キンボール・オフィスは1970年にデスクを製造し、以降ケース類や椅子、テーブルなど様々な製品を展開しています。また、1980年にはナショナル・オフィス・ファーニチャーを立ち上げ、中価格帯のオフィス家具にも参入しました。

1985年には宿泊業向けのキンボール・ホスピタリティを設立し、ラスベガスのホテルやカジノに製品を提供するなど、多岐に渡って事業を展開しています。

受賞歴と企業文化

キンボール・インターナショナルは、数々の受賞歴を持つ企業でもあり、2004年には『フォーブス』誌から「アメリカの最も尊敬される企業」に選出されました。また、労働環境の安全性でも評価され、『Occupational Hazards』誌から「アメリカで最も安全な会社」に選ばれた等、多くの賞を受賞しています。

このように、キンボール・インターナショナルは多彩な製品を展開し、歴史と伝統を元にした革新を遂げてきた企業であり、今後も家具業界での地位を保ちながら成長を続けていくことでしょう。

もう一度検索