キープ (通貨)

キープ：ラオスの通貨事情

ラオス人民民主共和国の通貨単位はキープ (Kip) です。国際標準化機構 (ISO) ではLAKと略記されます。2023年8月現在、1米ドルは約1万7千キープです。キープには補助通貨単位としてアット (Att) があり、1キープは100アットに相当します。

キープの歴史

キープの歴史は長く、幾度かの変遷を経て現在の姿に至ります。第二次世界大戦後、フランス領インドシナのピアストルと並行して流通していましたが、1957年には独自の「王国キープ」が導入されました。その後、1975年の社会主義革命を経て「パテート・ラオ・キープ」となり、1979年には1新キープ＝100旧キープの大規模な通貨改革が行われました。この改革以降、現在流通しているキープが使用されています。

紙幣と硬貨

現在流通している紙幣は、5キープから10万キープまで、様々な額面があります。しかしながら、実際には1000キープ以上の高額紙幣が主に使用されており、小額紙幣は流通量が限られています。500キープ紙幣は稀に見かける程度です。硬貨は、かつてはアット単位の硬貨も存在していましたが、現在では発行・流通されていません。

小額紙幣の流通が少ないため、500キープの釣銭が必要な場合、1000キープ単位に切り上げ・切り捨てられたり、駄菓子などの現物が釣銭として使われることもあります。

ラオス国内の通貨事情

ラオス経済はタイとの貿易に大きく依存しているため、タイ・バーツや中国人民元、米ドルなどが国内で広く流通していました。しかし、ラオス政府による自国通貨使用促進政策により、価格表示はキープ表記が主流となり、外貨の使用はレート面で不利になるケースが増えています。

紙幣のデザイン

紙幣のデザインにも歴史が刻まれています。1988年までに発行された500キープ紙幣までは旧国章が描かれていましたが、2003年以降に発行された1000キープ紙幣以降は現行の国章が描かれています。これにより、紙幣のデザインを見ることで、発行時期をある程度推測することができます。

まとめ

キープはラオスの歴史と経済状況を反映した通貨です。その変遷や現在の流通状況を知ることは、ラオス経済を理解する上で重要な要素となります。今後もラオス政府の政策や経済情勢の変化によって、キープの価値や流通状況は変化していく可能性があります。

参考文献

* ラオス人民民主主義共和国銀行ウェブサイト (英語・ラオ語)

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