ギデオン (映画)

映画『ギデオン』解説

『ギデオン』（Gideon's Day）は、1958年に公開されたイギリスとアメリカ合衆国の合作による刑事ドラマ・犯罪映画です。J・J・マリックの警察小説『ギデオンの一日』を原作とし、巨匠ジョン・フォードが監督を務めました。主演はジャック・ホーキンス、共演にはダイアン・フォスター、シリル・キューザックらが名を連ねています。

あらすじ

物語は、ロンドン警視庁のジョージ・ギデオン警視の多忙な一日を描きます。叔父夫婦の訪問、娘のバイオリンコンサート…予定されていた穏やかな日は、朝一番にかかってきた部下の汚職に関する密告電話によって一変します。スコットランドヤードに到着すると、給料強盗事件、マンチェスターで少女を殺害した猟奇犯の逃亡という情報が次々と舞い込みます。

一刻も早く仕事を終えて帰宅したいギデオンでしたが、汚職警官が殺害され、猟奇犯は次の犯行に手を染め、事態は悪化の一途を辿ります。しかし、バラバラに見えた汚職警官殺害と給料強盗事件の背後には繋がりがあることが判明し、謎の美女ジョアナの存在が浮かび上がります。ギデオンはジョアナ逮捕へと動き出します。

数々の難事件を解決し、ようやく帰宅できたのは夜遅く。しかし、束の間の休息もつかの間、再び電話が鳴り響き、ギデオンの長い一日はまだ終わらないことを予感させるのでした。

キャスト

ジョージ・ギデオン：ジャック・ホーキンス
ジョアナ：ダイアン・フォスター
バーディ・スパロウ：シリル・キューザック
サイモン・ファーナビー＝グリーン巡査：アンドリュー・レイ
サリー・ギデオン：アンナ・マッセイ

制作の背景

本作は、J・J・マリックのギデオン警視シリーズ初の映画化作品です。主演のジャック・ホーキンスは、本作の2年前に製作された『The Long Arm』でもギデオンに似た役を演じています。

撮影はロンドンとその周辺地域で行われ、室内シーンはハートフォードシャー・ボーラムウッドにあるMGMブリティッシュ撮影所（現在のエルスツリー撮影所）で撮影されました。撮影中には、ジョン・フォードを敬愛する黒澤明が撮影現場を訪問したというエピソードも残されています。

アンナ・マッセイにとっては、本作がデビュー作であり、当時19歳でした。

作品の魅力

『ギデオン』は、ジョン・フォード監督ならではの重厚な演出と、ジャック・ホーキンスをはじめとする実力派俳優たちの演技が光る作品です。ロンドンの街並みを背景に、一人の刑事の多忙な一日をリアルに描き出し、観る者を飽きさせません。様々な事件が同時進行していくスリリングな展開、そして、ギデオン警視の人間味あふれる姿は、多くの観客を魅了しました。

外部リンク

Gideon's Day - IMDb（英語）
* ギデオン - KINENOTE

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