ギニアビサウ軍

ギニアビサウ人民革命軍（FARP）

ギニアビサウ人民革命軍（Forças Armadas Revolucionárias do Povo：FARP）は、ギニアビサウの国軍であり、陸軍、海軍、空軍、準軍事部隊で構成されています。兵力は、2008年の国連開発計画の推計で約4,000人、CIAワールドファクトブックの以前の数字では9,250人とされています。軍事費は946万ドルと推定され、GDPの3.1%を占めています。

兵役年齢は、選択的徴兵制の場合18歳から25歳、志願兵役の場合は親の同意があれば16歳以下となっています。

内部文化と軍事的不安

2009年3月1日には、当時の参謀長バティスタ・タグメ・ナワイ少将が暗殺され、翌日には兵士が大統領宮殿を襲撃し、ジョアン・ヴィエイラ大統領が暗殺されるという事件が発生しました。

2010年4月1日には、カルロス・ゴメス・ジュニオル首相が兵士によって自宅監禁され、陸軍参謀総長のザモラ・インドゥータも拘束されるという軍事的不安が発生しました。この動きに対し、ゴメスとその政党PAIGCの支持者は首都ビサウでデモを行い、アントニオ・インジャイ参謀副総長は、抗議行動が続くならばゴメスを殺すと警告しました。

EUは2010年8月4日、ギニアビサウの治安部隊を改革するミッション、EU SSR ギニアビサウを終了しました。EUミッションの報道官は、反乱の首謀者であるアントニオ・インジャイ将軍が陸軍参謀長に就任したことを受けて、EUはプログラムを中断せざるを得なかったと述べています。

国際的な麻薬取引

ギニアビサウ沖合のビジャゴ諸島は、多数の島嶼で政府の取締りが及ばない海軍が麻薬の密輸に関与しているため、ヨーロッパへの麻薬の積み替え拠点として利用されています。南アメリカで生産された麻薬は、飛行機や船でビジャゴ諸島に運ばれ、島やその周辺で水密容器に梱包されて海に降ろされます。その後、漂流する麻薬はモーターボートで引き上げられ、ヨーロッパやアフリカ大陸へと運ばれます。

潘基文国連事務総長は、ギニアビサウの麻薬取引に関与した者への制裁を求めていました。空軍長官のイブライマ・パパ・カマラと元海軍少将のホセ・アメリコ・ブボ・ナ・チュトは、「麻薬王」と呼ばれています。チュト元少将は、現役時代の2008年8月7日にナワイ参謀長と会談し、ヴィエイラ大統領に対するクーデターを提案しましたが、ナワイ参謀長に拒否され、その後逮捕されています。チュトは後にアメリカ合衆国へ麻薬密輸に関わった罪で送致されています。

アンゴラの支援

アンゴラは、2011年以来、防衛・安全保障の改革を支援するためにギニアビサウの軍事ミッション（MISSANG）に参加していました。このミッションは、兵舎や警察署の修復、行政サービスの組織化、現地およびアンゴラの機関での技術・軍事訓練など、ギニア軍と警察の改革に焦点を当てた技術・軍事協力プログラムを含んでいました。

しかし、ギニアビサウでライムンド・ペレイラ大統領代行とゴメス・ジュニオール首相を追放した政治的・軍事的危機を受け、アンゴラ政府はこのミッションを中止しました。

陸軍装備

（詳細な情報が不足しているため、省略）

空軍

ギニアビサウ空軍（Força Aérea da Guiné-Bissau、FAGB）は、ポルトガルからの独立後、ポルトガル空軍が残した機材と、キューバやソ連で訓練を受けた将校によって結成されました。ソ連からの援助を受け、MiG-17戦闘機やMi-8ヘリコプターなどが導入されました。

冷戦終結以降、東側諸国の支援が途絶えたことで、空軍が保有する機体の状態は急速に悪化しました。1998年のギニアビサウ紛争では、空軍は一時陸軍に編入され、その後も機材の消耗は止まらず、運用可能な機体はほとんどなくなりました。

2012年には、空軍参謀長のメルケイス・フェルナンデス将軍が欧州連合に保護を求めましたが、彼は2009年のナワイ参謀長の暗殺に関与した疑いがかけられていました。

海軍

ギニアビサウ海軍（Armada da Guiné-Bissau、ADGB）は、1978年にソ連から供与されたシェルシェン型魚雷艇を主力としていました。2006年の段階で310人の兵員と哨戒艇3隻を配備していましたが、哨戒艇は2000年代後半に2隻まで減少しました。

今後の課題

ギニアビサウ人民革命軍は、国内の政治的混乱や麻薬取引といった問題に深く関わっており、その改革と安定化が喫緊の課題となっています。国際社会の支援を受けながら、透明性の高い組織運営と国民からの信頼回復を目指す必要があります。

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