ギブソン・J-200

J-200の魅力と歴史

J-200は、1937年にギブソンによって製造されたフラットトップギターの最高峰モデルで、その名はSJ-200という名から始まります。このギターは「キング・オブ・フラットトップ」と称され、ギブソンの中でも特別な存在感を放っています。SJは「Super Jumbo」の略称であり、その名の通り、サイズ感が際立っています。

このギターの特徴的なブリッジは「moustache」、つまり「口髭」と呼ばれる形をしています。このユニークなデザインは、演奏者にとっても視覚的な印象を強烈に与え、演奏のスタイルに影響を与えています。また、J-200のボディは分厚く設計されており、それによって大音量を発生させることができるため、ライブ演奏や録音において圧倒的な存在感を示します。

最初はハカランダという高級材を使用していたものの、戦後にはメイプルへと変更されています。1950年代に入ると、モデル名がJ-200に改名され、現在もその名で親しまれています。この歴史的な変遷により、J-200は現在も多くのミュージシャンに愛され、手に取られる人気のギターとなっています。

特にエルヴィス・プレスリーは、このJ-200を最も愛用したギタリストとして知られています。彼が主演した数々の映画、『さまよう青春』や『闇に響く声』、『G.I.ブルース』、さらに『いかすぜ！この恋』などにこのギターが登場することで、その名をさらに広めました。また、1968年のNBC製作のカムバック・スペシャル「エルヴィス」でも、彼がJ-200を弾く姿が印象的に映し出されています。この特別な瞬間には、途中でスコティ・ムーアとギターを交代するシーンもあり、多くのファンに愛された瞬間が記憶に残っています。

さらに、1969年頃からはエルヴィス専用の特注モデルが登場し、指板には「ELVIS PRESLEY」との刻印、独自のデザインのピックガードが取り付けられるようになります。普通のJ-200は、チャーリー・ホッジによって演奏され、ともに彼の音楽人生の一部となりました。

1996年には、エルヴィス・プレスリーにインスパイアされたモデルが200本限定でリリースされました。この限定モデルは、コレクターやファンにとっても特別な意味を持ち、もはや伝説とも言える存在です。

J-200は、その豊かな音色と歴史的な重要性から、現在も多くのアーティストに影響を与え続けており、ギター愛好者にとって欠かせない一品です。ギターを手にすることで、その背後にあるストーリーや歴史を感じることができるのも、このモデルの魅力の一つと言えるでしょう。

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