ギャルド・スイス

ギャルド・スイス (Gardes suisses)

ギャルド・スイスは、1616年から1792年にかけてフランス国王に仕えたスイス人の歩兵部隊の名称です。この部隊は、国王の護衛や宮殿の警護を任務として、数世代にわたり重要な役割を果たしました。スイス人の部隊が宮廷で用いられ始めたのは15世紀からで、フランス王室は多くのスイス人部隊を活用していました。

初期の歴史

この連隊の起源は、フランソワ1世の時代にさかのぼります。フランスとスイスの関係は1476年の戦いを通じて強まり、1515年にはフランスがスイスとの永続的な条約を締結しました。この条約により、スイスからフランス王に仕える兵士が派遣されることが定められました。

その後、1544年にはギヨーム・フローリックがサン・スイス部隊を率い、戦いで勝利を収めるなど、部隊としての実績を積んでいきました。1567年には、スイス衛兵がシャルル9世を守るために重要な任務を遂行し、その名声を確立しました。

ギャルド・スイスの創設

1616年、ルイ13世によって正式にスイス人衛兵隊としての名称が付けられ、彼らは王室軍の一部として活動しました。彼らの主な使命は、王室の警護や宮殿の防衛であり、王と常に共に行動する義務がありました。

この部隊は、平時にも戦時にも高い士気と規律を保ち、王室のエリートとしての地位を確立しました。連隊は、各中隊に200人の兵士が所属し、合計で2400人以上の兵士から構成されていました。

太陽王時代

17世紀後半に入り、ルイ14世の治世において、スイス衛兵隊はその規模を大幅に拡大しました。この時代、彼らはヴェルサイユ宮殿の警護や、フランス王国の軍事行動にも関与しました。また、彼らは戦争大臣と連携しながら、独立した中隊を編成することもありました。

18世紀の動向

18世紀になると、スイス衛兵隊はフランス人衛兵隊と共同で旅団を編成し、外部の警護を行う役割が増加しました。彼らは赤い軍服に青いアクセントを施したデザインで、目を引く存在となりました。平時の彼らはパリ近郊の兵舎に駐留し、常に王室に尽力しました。

フランス革命とその後

しかし、フランス革命が勃発すると、スイス衛兵は民衆側に参加し、1789年の革命的事件に加わります。1791年にメゾン・ミリテール・デュ・ロワが解体されると、スイス衛兵隊は依然として存続することができましたが、その役割は大きく変わりました。

最も有名な出来事は1792年8月10日に起きたテュイルリー宮殿の防衛です。この日、少数のスイス衛兵が王宮を守っていましたが、結果的に兵士の多くが戦死し、組織の終焉を迎えました。生き残ったスイス衛兵たちもその後、ナポレオン軍に参加することとなります。

王政復古時代

王政復古以降、ブルボン家は再びスイス人部隊を採用しましたが、1830年の七月革命によって再度の混乱に巻き込まれ、スイス衛兵隊は解散される運命をたどります。その後、スイス連隊の退役軍人たちは新たな部隊を編成し、歴史の一部を形成しました。

ギャルド・スイスは、その長い歴史の中でフランスの王政と深く結びついた部隊であり、スイス人兵士たちの高い戦闘能力と忠誠が評価されていました。彼らの故事は、今もなお多くの研究の対象となっています。

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