ギルダ

映画『ギルダ』(1946) 解説

『ギルダ』は、チャールズ・ヴィダー監督による1946年公開のフィルム・ノワール作品。退廃的な雰囲気と、グレン・フォードとリタ・ヘイワースの魅力的な演技で、映画史に残る名作として知られています。特に、リタ・ヘイワースが歌い踊るシーンは、観る者を魅了します。

あらすじ

ジョニー・ファレルは、南米の賭場でイカサマがばれ、殺されかけますが、カジノ経営者であるベイリン・マンスンに助けられます。マンスンの右腕として働くことになったジョニーは、やがて店の仲間とも親しくなります。

ある日マンスンは、ジョニーに店を任せて旅に出ますが、ジョニーの元恋人であるギルダを妻として連れて帰ってきます。ギルダはジョニーとの復縁を望みますが、彼は相手にしません。彼女は彼の気を引こうと、他の客たちと親しげに接するようになります。

ジョニーは、表面的には興味がないそぶりを見せながらも、ギルダへの未練を断ち切れずに苦悩します。そんな中、ジョニーはカジノがナチスのスパイ拠点であることを知ります。ある日、カジノでドイツ人が殺害され、身の危険を感じたジョニーはギルダの元へ逃げ込み、二人はついに結ばれます。

その様子を見ていたマンスンは、自殺を装い姿を消します。マンスンの死後、ジョニーは復讐を誓いギルダと結婚しますが、その後ギルダはウルグアイへ渡り、カフェの歌手として生活することになります。

実は、オブレゴンは政府のスパイであり、ギルダに罪はないことをジョニーに告げます。ジョニーとギルダが和解したところに、マンスンが現れて二人を殺そうとしますが、アンクル・ピオによって刺殺されます。オブレゴンは、政府の記録上、マンスンは自殺したことになっていると告げ、ピオを釈放します。こうして、ギルダとジョニーはアメリカへと帰国するのでした。

キャスト

ジョニー・ファレル：グレン・フォード
ギルダ：リタ・ヘイワース
ベイリン・マンスン：ジョージ・マクレディ

映画の見どころ

リタ・ヘイワースの魅力： 妖艶な美しさで観客を魅了するリタ・ヘイワースの存在感は、本作の最大の魅力と言えるでしょう。彼女が歌い踊るシーンは、映画史に残る名場面として語り継がれています。
フィルム・ノワールの雰囲気： 陰影を強調したモノクロの映像や、退廃的なムードが、作品全体を覆っています。
複雑な人間関係： 登場人物たちの愛憎が絡み合い、先の読めない展開が繰り広げられます。

リタ・ヘイワースの黒いドレス

ギルダが"Put the Blame on Mame"を歌いながら踊るシーンで着用している黒いドレスは、映画史に残る有名なファッションとして知られています。ジャン・ルイがデザインしたこのドレスは、彼女の美しさを際立たせ、妖艶な雰囲気をより一層引き立てています。

関連作品

ショーシャンクの空に： 同じくコロンビア映画配給。原作は『刑務所のリタ・ヘイワース』であり、劇中で本作が上映されるシーンがあります。
ノッティングヒルの恋人： 作中で「ギルダのリタ・ヘイワース」というセリフが登場します。

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