ギンザ・グラフィック・ギャラリー

ギンザ・グラフィック・ギャラリー

ギンザ・グラフィック・ギャラリー（英称：ginza graphic gallery、略称：ggg、通称：スリージー）は、日本の首都、東京都中央区の銀座に設けられた、グラフィックデザインを専門に扱う美術館機能を持つギャラリーです。

概要

このギャラリーは、1986年に大手印刷会社である大日本印刷の文化事業の一環として創設されました。以来、日本国内においてグラフィックデザインを専門とする施設としては屈指の存在感を放ち、現在は公益財団法人DNP文化振興財団がその運営を担っています。

gggは、年間を通じて企画展を開催するだけでなく、関連する講演会や、出展デザイナーなどによるギャラリートークといった教育普及活動にも力を入れています。さらに、世界の優れたグラフィックデザインを紹介する「gggBooks」シリーズなどの出版活動も積極的に展開し、デザイン文化の振興に多角的に貢献しています。

また、1991年には大阪にも姉妹ギャラリーとしてdddギャラリーが開設されました。gggの運営監修はグラフィックデザイナーの永井一正が務め、シンプルで力強いロゴデザインは田中一光の手によるものです。

歴史と主な活動

ギンザ・グラフィック・ギャラリーは、1986年3月4日に正式に開館し、同日から最初の展覧会として『大橋正展　野菜のイラストレーション』を開催しました。この開設は、日本のデザイン界に新たな拠点をもたらす画期的な出来事でした。

1991年11月5日には、大阪の堂島にdddギャラリーが設立され、gggとともに東西でデザインの発信を担うことになります。同年12月には「'91 Tokyo ADC展」を開催し、以降、1993年からは毎年、東京アートディレクターズクラブが選出する優れた作品を紹介するこの展覧会がgggの恒例企画となりました。

1992年3月からは「第4回TDC展」が開催され、これもまた毎年継続される重要な企画展の一つとなります。東京タイプディレクターズクラブの成果を紹介するこの展覧会は、タイポグラフィを中心としたデザインの最新動向を伝えています。

1996年11月には、当時の注目すべき若手デザイナーを紹介する企画として『Graphic Wave 1996 青木克憲＋佐藤卓＋山形季央』が開催されました。この「Graphic Wave」展はその後もシリーズ化され、毎年異なるデザイナーを取り上げながら、2006年まで継続して開催されました。

dddギャラリーは、設立後いくつかの移転を経験しています。2007年5月4日には大阪市内の南堀江へ、そして2014年10月9日には京都府の太秦へと拠点を移し、関西におけるデザイン振興の役割を担い続けました。

2016年3月、gggは開館30周年という大きな節目を迎えました。これに合わせて、展示室内の温湿度をより適切に管理するためのシステム導入や、2階の図書スペースを拡充するなど、施設の質的向上を図るリニューアルを実施しました。この工事期間中には、ギャラリー単独での展示ができないため、gggが共催する形で日比谷図書文化館にて企画展『祖父江慎＋コズフィッシュ展　ブックデザイ』が開催されました。30周年記念の特別企画展としては、これまでの活動を振り返る『明日に架ける橋 gggポスター1986-2016』が開催され、来場者にその歴史と成果を紹介しました。

ギンザ・グラフィック・ギャラリーは、その長い歴史の中で、数多くの優れたグラフィックデザイン作品やデザイナーを紹介し、日本のデザイン文化の発展に不可欠な役割を果たし続けています。

もう一度検索