ギヴ・ザ・ピープル・ホワット・ゼイ・ウォント

ギヴ・ザ・ピープル・ホワット・ゼイ・ウォント

1981年8月に発表されたキンクスのアルバム『ギヴ・ザ・ピープル・ホワット・ゼイ・ウォント』は、バンドとしての独自性を持ちつつ、聴く者に強いメッセージを届ける作品です。イギリスでのリリースは翌年の2月にずれ込みましたが、アルバム全体に流れるテーマやサウンドは、時代を超えて多くのファンに愛され続けています。

このアルバムからは、「ベター・シングス」が1981年7月にイギリスで先行シングルとしてリリースされ、久々にトップ50に入るという成果を収めました。この曲はレイ・デイヴィス自身のお気に入りであり、特に力を入れた作品ですが、急いで録音されたため、演奏やボーカルにはやや不安定さも見受けられます。レイもこの点を認識しており、のちにキンクスのアルバム『To The Bone』やソロ名義の『See My Friends』で再録音を行っています。

アルバム内でレイとデイヴは、『ギヴ・ザ・ピープル・ホワット・ゼイ・ウォント』の収録曲に対して非常に満足しており、特にレイは「ベター・シングス」、「デストロイヤー」、そして「アート・ラヴァー」が特にお気に入りとのことです。デイヴも、このアルバムのメンバーとの再結成を強く望んでいると語るなど、彼らにとって特別な意義を持った作品であることがうかがえます。

収録曲リスト

すべての曲はレイ・デイヴィスによる作詞作曲です。
1. アラウンド・ザ・ダイヤル - Around the Dial (4:45)
2. ギヴ・ザ・ピープル・ホワット・ゼイ・ウォント - Give the People What They Want (3:45)
3. キラーズ・アイズ - Killer's Eyes (4:40)
4. プレディクタブル - Predictable (3:31)
5. アド・イット・アップ - Add It Up (3:14)
6. デストロイヤー - Destroyer (3:47)
7. ヨーヨー - Yo-Yo (4:10)
8. バック・トゥ・フロント - Back to Front (3:15)
9. アート・ラヴァー - Art Lover (3:22)
10. リトル・ビット・オヴ・アビューズ - A Little Bit of Abuse (3:45)
11. ベター・シングス - Better Things (2:59)

このアルバムは、音楽の質とメッセージ性が融合した作品として、聞く者に深い印象を与え続けています。特にキンクスのファンにとって、聴く価値のある名盤といえるでしょう。

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