クイズ!!データマッチ

クイズ番組『クイズ!!データマッチ』：1980年代後半のテレビ朝日を彩ったランキングクイズ

1986年12月7日から1987年10月25日までの約1年間、テレビ朝日系列で放送されたクイズ番組『クイズ!!データマッチ』。毎週日曜日の正午から45分間、多くの視聴者を熱狂させたこの番組は、それまでの同時間帯のバラエティ番組とは一線を画す、珍しいクイズ番組でした。司会は桂文珍さんが務め、解答者として田代まさしさん、野際陽子さん、横山やすしさん、賀来千香子さんと、バラエティに富んだ顔ぶれが番組を盛り上げました。

特に、田代まさしさんは解答発表時に他の解答者の回答を「みんな甘い、甘い！」と一蹴し、自身だけが正解するという場面が多く見られ、視聴者を楽しませる重要な存在でした。

番組の構成：ランキング形式のユニークなクイズ

『クイズ!!データマッチ』最大の特徴は、そのクイズ形式にあります。番組では、様々なランキングに関する問題が出題されました。

まず、オープニングでは○×クイズが4問出題されました。解答者たちは、手で○か×のサインを出して解答し、1問につき10点が与えられました。シンプルながらも、緊張感と興奮を盛り上げる効果的な導入でした。

続く筆記問題では、アンケート結果などを基にしたランキング問題が出題されました。例えば、5つの項目の中から1位を当てる五択問題や、5位以内に入る項目を当てる問題など、様々な形式の問題が出題されました。これらの問題では、ソラリー式と呼ばれる方式が用いられていたとされています。ソラリー式とは、回答選択肢を絞り込んでいくことで正解にたどり着く方式です。

番組の白眉と言えるのが「逆転クイズ」です。10個の項目の中から1位から3位を当てる問題で、順位によって点数が変動するという、他のクイズ番組にはない独特のシステムが採用されていました。1位は30点、2位は20点、3位は10点と高得点ですが、4位から7位は0点、8位は-10点、9位は-20点、そして10位は-30点と、下位になるほど大幅な減点がありました。この逆転クイズは、解答者間の点差が大きく変動する可能性があり、最後まで目が離せない展開を生み出しました。点数の低い解答者から順に口答で解答し、ベスト3が全て発表されるとクイズは終了します。

地域による放送の差異

『クイズ!!データマッチ』はテレビ朝日系列で放送されていましたが、系列局である朝日放送では、この時間帯に別の番組が放送されていたため、本番組はネットされませんでした。朝日放送では、『日曜笑劇場』枠で『サブシロのTHE・ハタラケ興業』（1987年3月まで）と『爆笑サンドイッチ』（1987年4月以降）が放送されており、これらと『クイズ!!データマッチ』の同時放送は実現しませんでした。

まとめ：時代を反映したエンターテインメント

『クイズ!!データマッチ』は、1980年代後半のテレビ界において、ランキングという当時流行していた要素を取り入れ、視聴者の興味を引くことに成功した番組でした。独特のクイズ形式と個性豊かな解答者たちの掛け合いは、多くの視聴者に記憶に残る番組となったと言えるでしょう。また、番組の放送されなかった地域もあったことは、当時のテレビ番組の編成事情を知る上で重要な要素です。番組の短命さにも関わらず、そのユニークな試みは、後のクイズ番組にも影響を与えた可能性があります。

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