クイーンエリザベス諸島

クイーンエリザベス諸島

クイーンエリザベス諸島（Queen Elizabeth Islands）は、北アメリカ大陸とグリーンランドの間に位置する、カナダが領有する広大な諸島群です。広大なカナダ北極諸島のうち、特に北部地域を構成しており、その総面積は41万8961平方キロメートルに及びます。行政区分としては、ノースウエスト準州とヌナブト準州に跨っています。

この諸島群の名称は、1953年にエリザベス2世がカナダ女王に即位した後に付与されたものです。それ以前は、「パリー諸島」や「スヴェルドルップ諸島」など、探検家や地理学者の名にちなんだ複数のグループ名で呼ばれていました。女王への敬意を示す形で、これらの島々を包括する新しい名称として採用されたのです。

クイーンエリザベス諸島は、地球上で最も人跡未踏に近い地域の一つとして知られています。厳しい極北の気候と地理的な隔絶性のため、恒常的な定住者は極めて少なく、いくつかの研究施設や軍事拠点が点在する程度です。自然環境は非常に厳しく、広範囲が氷河や永久凍土に覆われています。

この諸島を構成する島々の中で、最も大きな面積を誇るのはエルズミーア島です。エルズミーア島はカナダの島としても3番目に大きく、その大部分が氷帽や氷河で覆われています。他の主要な島々も広大ですが、それぞれが独自の地形や自然景観を持っています。

クイーンエリザベス諸島は多数の島々から成り立っており、その主なものを以下に挙げます。

アクセルハイバーグ島
アマンドリングネス島
アレクサンダー島
ヴァニエ島
エグリントン島
エメラルド島
エルズミーア島
エルフリングネース島
キャメロン島
キングクリスチャン島
グレアム島
コーンウォール島
コーンウォリス島
デヴォン島
ノースケント島
バイアムマーティン島
バサースト島
プリンスパトリック島
ブロック島
ベイリーハミルトン島
ヘレナ島
ボーデン島
マイエン島
マッケンジーキング島
メルヴィル島
ラフヒード島

これらの島々は、それぞれが広大な面積を持ちながらも、厳しい自然環境のため定住者は極めて少ないのが現状です。

この極北の地は、歴史的にはイヌイットの人々が狩猟などを通じて一時的に利用したり関わったりしてきた地域である可能性が示唆されています。しかし、現代においては、その過酷な環境と地理的な要因から、人類の定住は極めて限られており、主に科学調査や地理学的な研究の対象となっています。手つかずの自然が広がるクイーンエリザベス諸島は、地球の気候変動や極地生態系を研究する上で重要な地域であり続けています。

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