クウェート国営石油会社

クウェート国営石油会社（KNPC）とは

クウェート国営石油会社（Kuwait National Petroleum Company, KNPC）は、クウェートに拠点を置く石油精製企業です。1960年10月に設立され、石油精製やガスの液化、石油製品の地域市場への供給を行っており、また、環境に配慮したクリーン燃料計画（CFP）にも力を入れています。

会社の沿革

KNPCは、設立当初はクウェート政府と民間セクターによる持株会社でしたが、1975年には完全に国営化されました。1968年からは、シュアイバ製油所から製品の輸出を始め、2017年にシュアイバ製油所を閉鎖するまで、その役割を果たしてきました。1980年には、クウェート石油公社（KPC）の傘下に位置づけられ、国内の石油製品の供給を統括するという新たな役割を担うことになりました。

製油所の概要

KNPCは、いくつかの主要な製油所を運営しています。

ミナ・アブドゥラ製油所

ミナ・アブドゥラ製油所は、1958年にアメリカの石油会社が建設し、1975年に国有化され、1978年にKNPCに移管されました。この製油所は、クウェート市から46km南に位置し、広さは7,835,000平方メートルで、730,000バレル/日（116,000立方メートル/日）の生産能力を誇ります。

ミナ・アハマディ製油所

ミナ・アハマディ製油所は1949年に建設され、1980年にKNPCに移管されました。クウェート市から40km南にあり、広さは10,534,000平方メートル、生産能力は730,000バレル/日（116,000立方メートル/日）です。また、2014年からは超低硫黄軽油（ULSD）の生産も始まり、環境に配慮した燃料供給が行われています。

シュアイバ製油所

シュアイバ製油所は、1966年に建設され、国営企業が設営したこの地域初の製油所です。クウェート市から50km南のシュアイバ工業地域に位置し、広さは1,332,000平方メートル、200,000バレル/日（32,000立方メートル/日）の生産能力がありますが、2017年3月にクリーン燃料計画に向けて閉鎖されました。

アル＝ズール製油所

アル＝ズール製油所は2006年に建設計画が発表され、2012年に再度採択されました。この計画では、生産能力615,000バレル/日（97,800立方メートル/日）の施設が設置される予定で、中東最大の製油所となる見込みです。2008年から数社とのEPC契約が結ばれるも、契約は変更され、2012年には新たに複数企業と契約が結ばれるなど、多くの進展を見せています。

社会的貢献

KNPCは、奨学金や教育訓練機会の提供に加え、実用教育訓練センター（PAAET）の石油精製専攻に対する資金提供も行なっています。これにより、若者に対する質の高い教育と職業訓練の機会を提供し、クウェートの石油業界全体の成長に寄与しています。

KNPCは、クウェートの経済において重要な役割を果たしており、石油製品の供給やクリーンエネルギーの推進を通じて、持続可能な未来を目指しています。

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