クエスト・フォー・ザ・ハートストーン

『クエスト・フォー・ザ・ハートストーン』は、ダンジョンズ&ドラゴンズのベーシックD&Dルールを対象とした冒険モジュールです。このモジュールは、前年にLJN社から発売されたダンジョンズ＆ドラゴンズ玩具シリーズとのタイアップとして企画されました。

あらすじ

物語は、黒王の死によって混乱に陥った王国を舞台に展開します。王妃は、王国を安定させるために不可欠な「ハートストーン」が盗まれたことを知り、その奪還を決意します。プレイヤーキャラクター（PC）たちは王妃に召集され、ハートストーンが隠されていると噂される危険な氷の山脈へと向かうことになります。PCたちは、行く手を阻む危険な沼地を乗り越え、ついに山へと辿り着きます。そこには、複雑に入り組んだ洞窟が待ち受けており、PCたちを様々な試練が待ち受けています。

製品概要

『クエスト・フォー・ザ・ハートストーン』は、荒野とダンジョン探索を組み合わせたシナリオで、フロストジャイアントの隠れ家が登場します。プレイヤー向けに4ページのイラストが用意されています。マイケル・L・グレイが執筆し、ジェフ・イーズリーがイラストを担当しました。1984年にTSR社から32ページの中綴じ冊子として発売されています。このモジュールは、LJN社とTSR社が共同で展開していたD&Dキャラクター玩具（ストロングハートやウォーデュークなど）をフィーチャーしており、玩具フィギュアのキャラクターデータが掲載されている点が特徴です。

評判

『ホワイトドワーフ』誌のグラハム・ステープルハーストは、このモジュールを10点満点中4点と評価し、「AD&Dアクションフィギュアの販促品以上の価値はない」と酷評しました。彼は、このモジュールが「マジックアイテムを探すために選ばれた善人が、ランダムに配置されたモンスターの集団を切り抜けなければならない、誰もが最初に作るダンジョンを思い出させる」と感じました。また、TSRがイラストと地図で状況を改善しようと試みているものの、効果は薄いと指摘しました。ステープルハーストは、モジュール内でLJN社のAD&D玩具シリーズへの言及が多すぎる点を批判し、冒険が進むにつれて、モンスターの選択がTSRやLJNがフィギュアを製造している範囲に限定されているように感じられると述べました。彼は、小屋に住む巨大なクモや「ゴーレム保管庫」といった奇妙な遭遇についても言及し、代替的な行動を取れるような賢明に計画された遭遇がほとんどない点を批判しました。ローレンス・シックは、著書『ヒロイック・ワールド』の中で、このアドベンチャーを「ばかばかしいシナリオ」と評しました。

このように、『クエスト・フォー・ザ・ハートストーン』は、販促目的が強く、ゲームとしての質は低いと評価されています。

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