クエルナバカ

クエルナバカ：常春の街、メキシコの古都

クエルナバカは、メキシコのモレロス州の州都であり、約36万人の人々が暮らす活気ある都市です。メキシコシティから南へ約80kmに位置し、温暖な気候と豊かな自然、そして歴史的な魅力から、多くの人々を惹きつけています。

名称の由来と発展

クエルナバカの名称は、先住民の言葉であるCuauhnahuac（「森の入口」の意味）がスペイン語風に変化したものです。スペイン語の「vaca」（牛）とは無関係です。古くから富裕層の別荘地として発展し、その美しい景観と過ごしやすい気候が愛されてきました。メキシコシティが盆地にあるのに対し、クエルナバカは南に向かって傾斜しているため、風通しと水捌けが良く、快適な環境が保たれています。近年では、メキシコシティの大気汚染を避けて移り住む人々も増えています。

「常春の街」の気候

19世紀には、ドイツの探検家アレクサンダー・フォン・フンボルトによって「常春の街」という別名が与えられました。メキシコシティよりも標高が約700m低いため、気温は平均して5度ほど高く、真冬でも10度を下回ることがほとんどありません。一年を通して温暖な気候が、クエルナバカの大きな魅力の一つとなっています。

歴史的建造物

クエルナバカには、その豊かな歴史を物語る数多くの建造物が残っています。代表的なものとしては、以下のものがあります。

コルテス宮殿: アステカ帝国の建築物を破壊した跡に建てられた宮殿で、現在は博物館として公開されています。メキシコの歴史における重要な出来事を伝える壁画が必見です。
クエルナバカ大聖堂: ユネスコ世界遺産「ポポカテペトル山腹の16世紀初頭の修道院群」の一部であり、美しいバロック様式の建築が特徴です。宗教的な重要性はもちろん、芸術的な価値も高く評価されています。

日本との繋がり

クエルナバカは、日本との繋がりも深く、以下の都市と姉妹都市・国際友好都市提携を結んでいます。

姉妹都市: 大多喜町（千葉県）、デンバー（コロラド州）、ミネアポリス（ミネソタ州）
国際友好都市: 箕面市（大阪府）

また、1966年からは、日産自動車系列の日産メキシカーナS.A.の北米向け生産工場がCIVAC地域で稼動しており、経済的な面でも日本との関係が深いことが伺えます。

クエルナバカ出身の著名人

クエルナバカは、様々な分野で活躍する人材を輩出しています。主な出身者としては、以下の人物が挙げられます。

リカルド・ロペス（ボクサー）
ピエロー・ジュニア（プロレスラー）
メイダ・ナバーロ（フィギュアスケート選手）
ロベルト・ヌルセ（サッカー選手）

クエルナバカは、その温暖な気候、豊かな自然、そして歴史的な魅力から、観光地としても、居住地としても、非常に魅力的な都市です。メキシコを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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