クフォルデン包囲戦 (1672年)

クフォルデン包囲戦（1672年）

クフォルデン包囲戦は、1672年の仏蘭戦争中に現在のオランダ、クフォルデンで2度発生した包囲戦です。

第一次包囲戦（1672年6月～7月）

1672年はオランダにとって「災難の年」でした。フランスとイングランドとの開戦により、第一次無総督時代で防備が手薄になっていたオランダは、フランス軍にユトレヒトまで侵攻されるという危機的状況に陥ります。これに乗じたケルン選帝侯とミュンスター司教は、ミュンスター司教クリストフ・ベルンハルト・フォン・ガレン率いる軍勢をオランダに侵攻させ、6月29日にクフォルデン要塞に到着、7月1日に砲撃を開始しました。

5日間の激しい攻防の後、フォン・ガレンはクフォルデンに降伏を勧告しますが拒否されます。しかし、ミュンスター軍がクフォルデンの補給倉庫を占領すると形勢は逆転。7月11日、フォン・ガレンは再度降伏勧告を行いました。クフォルデンの指揮官が派遣した大尉3名は3日間の停戦を提案しますが、フォン・ガレンはこれを拒否し、大尉2人を捕らえ、1人がクフォルデンへ逃げ戻りました。

クフォルデンでは作戦会議が開かれ、駐留軍が名誉をもって撤退できるならば降伏するという結論に至ります。フォン・ガレンはこの提案を受け入れ、同日降伏文書が署名され、クフォルデンはミュンスター軍に明け渡されました。

第二次包囲戦（1672年12月）

クフォルデン降伏後、ミュンスター軍による略奪行為が横行し、多くの市民が町を去りました。その一人であるメンデルト・ファン・デル・タイネンは、9月に家族と共にフローニンゲン州へ避難。翌月、彼はクフォルデンの元指揮官カール・フォン・ラーベンハウプト少将にクフォルデン奪還を提案します。ラーベンハウプトは当初タイネンの計画を疑っていましたが、タイネンがクフォルデンの守備に関する情報を持っていることを知り、興味を持ち始めます。そしてタイネンにクフォルデンの地図作成を依頼しました。

タイネンの計画は、川が凍結した際に葦で橋を架け、それを利用してクフォルデンに侵入するというものでした。ラーベンハウプトは計画を承認し、準備を進めます。

12月27日、ファン・エイベルヘン率いる1,500の軍勢がクフォルデンへ向かいました。進軍を悟られないように騎兵が道を封鎖しましたが、竜騎兵の一部が突破し、クフォルデン駐留軍に知らせたため、ミュンスター軍は守備の準備を整えました。

12月29日の夜、オランダ軍はクフォルデン近郊に野営。翌朝8時、濃霧の中、オランダ軍は三手に分かれて進撃を開始しました。ファン・エイベルヘンはクフォルデン城へ、ウェイレルス少佐はホラント角堡へ、シキンゲ少佐はオーファーアイセル角堡近くのフリース門へ向かいます。ファン・エイベルヘンと共に進軍したタイネンは、先頭に立って川を渡りました。

塁壁では激しい戦闘が繰り広げられましたが、短時間でミュンスター軍は敗走。オランダ軍は市場、フリース門、城などを次々と占領しました。タイネンは軍楽隊にプリンセンマルスの演奏を依頼。これにより、ミュンスター軍は大混乱に陥り、反撃もできず、クフォルデンはわずか1時間で陥落しました。

この戦いで、オランダ軍は戦死50名に対し、ミュンスター軍は戦死150名、逃亡200名、捕虜400名という損害を出しました。

戦後

クフォルデンの奪還はオランダ全土で祝われました。フォン・ラーベンハウプトはドレンテ州のランドロストとクフォルデンの総督に任命され、ファン・エイベルヘンはクフォルデン市の駐留軍指揮官に任命されました。タイネンも金メダルと銀メッキの記念杯を授与されました。

しかし、フォン・ガレンは1673年秋にクフォルデンの再占領を試みます。フェクト川を利用してクフォルデンを水没させ降伏させようとしましたが、10月1日に嵐によりフェクト川のダムが決壊。ミュンスター軍は約1,400人の死者を出すという大惨事に見舞われました。その後、ミュンスター軍はフラムスベルヘンやラールへ撤退しました。

参考文献

Stipriaan, R. van (2005) Ooggetuigen van de Gouden Eeuw. Bert Bakker, Amsterdam, p. 215-217
Veenhoven, A. (1969) Historie van Coevorden. Wolters-Noordhoff, Groningen, p. 80-89
Gerding, M. en Hillenga, M. (2007) Het Drenthe Boek. Waanders, Zwolle, p. 60
Dreiskämper, P. (1998) Redeloos, reddeloos, radeloos. Verloren, Hilversum, p. 50
Roorda, D. J. (1971) Het Rampjaar 1672. Fibula-Van Dishoeck, Bussum, p. 74-75, 109
Heringa, J. e.a. (1985) Geschiedenis van Drenthe. Boom Koninklijke Uitgevers, Meppel, p. 418-419

外部リンク

http://www.coevorden.nl/over-de-gemeente/geschiedenis/coevorden/jaartallen-en-gebeurtenissen/de-17e-eeuw/de-bevrijding-van-coevorden-1672/
http://www.coevorden.nl/over-de-gemeente/geschiedenis/coevorden/jaartallen-en-gebeurtenissen/de-17e-eeuw.html

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