クライストチャーチ男子高等学校

クライストチャーチ男子高等学校：伝統と革新が息づく名門校

クライストチャーチ男子高等学校（Christchurch Boys' High School、略称：CBHS）は、ニュージーランド南島クライストチャーチに位置する由緒ある男子公立中等学校です。1881年5月18日、カンタベリー・カレッジ（現在のカンタベリー大学）の予科学校として創立された歴史を持ち、その伝統から、卒業生の多くが大学へと進学しています。

歴史と校舎

開校当初はクライストチャーチ市中心部、現在のクライストチャーチ・アートセンター（旧カンタベリー大学校舎）の敷地内にありました。しかし、生徒数の増加に伴い、1926年に現在のフェンダルトン地区へと移転。広大な約12ヘクタールの敷地に、風格ある校舎が建ち並んでいます。この校舎は、カンタベリー州初期開拓者であるディーンズ家の土地に建設されており、ディーンズ家ゆかりの建物も現在も残されています。歴史と伝統が息づく環境の中で、生徒たちは学び、成長を遂げています。

教育と校風

2018年7月時点の生徒数は1,398名。文武両道を信条とするニュージーランドを代表する名門校として知られています。スクールカラーは青と黒で、特徴的な制服を着用します。CBHSは代々受け継がれる伝統も深く、祖父や父が卒業生という家庭も多く、中には五世代にわたって卒業生を輩出している家系もあります（2014年時点）。

高い教育水準を維持するため、博士号（Ph.D）を持つ専任教員が在籍し、生徒たちの学習をサポートしています。また、クライストチャーチの私立名門校であるクライスト・カレッジとは、100年を超えるライバル関係にあり、毎年開催されるラグビーの交流戦は、学校における最大のイベントとして盛況を博しています。

校舎から徒歩10分の場所には寄宿舎（アダムズ・ハウス）があり、全生徒の約1割にあたる130名の生徒が寄宿生活を送っています。国際色豊かな環境も特徴で、イギリス、スペイン、フランス、イタリア、日本などとの間で国際ラグビープログラムを締結し、海外からのラグビー留学生を受け入れています。一般生徒として在籍する留学生は約80名おり、その多くはアジア地域、特に日本からの生徒です。

著名な卒業生と教員

CBHSは、ニュージーランド社会に多大な貢献をした数々の著名人を輩出しています。政治家では、元首相のジョージ・ウイリアム・フォーブスやクリストファー・ラクソン、元ニュージーランド準備銀行総裁のドン・ブラッシュなどが卒業生に名を連ねています。他にも、政治漫画家、作家、クリケット選手など、様々な分野で活躍する人材を輩出しています。

特に、ラグビー界への貢献は顕著で、41名ものオールブラックス（ラグビーニュージーランド代表）選手を輩出しています。クリケットニュージーランド代表選手も数多く輩出するなど、スポーツ分野でも高い実績を誇ります。

著名な教員としては、物理学者のアーネスト・ラザフォードが知られています。彼は1893年に理化学の臨時教員として採用されましたが、正教員審査に3度失敗し、教職を諦めることになりました。

クライストチャーチ男子高等学校は、伝統と革新が融合した、魅力あふれる名門校です。歴史と実績を誇りながら、国際的な視野を持ち、未来を担う人材育成に貢献し続けています。

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