クラスタ (記憶媒体)

ディスクドライブにおけるクラスタは、ファイルシステムがデータを効率的に管理するための重要な概念です。これは、ファイルやディレクトリに割り当てられるディスク上の最小単位であり、複数のセクタをまとめたものです。

クラスタの役割

ファイルシステムは、ディスク上のデータ構造を管理する際に、セクタ単位で直接割り当てるのではなく、クラスタというより大きな単位を使用します。これは、管理のオーバーヘッドを減らし、効率的なデータアクセスを実現するためです。例えば、セクタが512バイトである場合、512バイトのクラスタは1つのセクタに対応しますが、4KBのクラスタは連続した8つのセクタに対応します。このまとまりが、ファイルシステムがデータを扱う基本的な単位となります。

クラスタは、ファイルに割り当てられるディスクスペースの最小論理単位であるため、ファイルシステムにおけるディスク容量の配分と使用効率に大きな影響を与えます。クラスタサイズが大きければ、小さなファイルを格納する際に未使用領域（スラックスペース）が生じやすくなります。このスラックスペースは、ファイルがクラスタサイズに満たない場合に発生し、ディスクスペースを無駄にする要因となります。

クラスタサイズとディスク効率

クラスタサイズが平均的なファイルサイズよりも小さい場合、無駄になるスラックスペースは平均してクラスタサイズの約半分になります。一方、クラスタサイズが大きくなると、スラックスペースも大きくなります。しかし、クラスタサイズを大きくすると、ファイルシステムが管理するクラスタの数が減るため、管理のオーバーヘッドを減らすことができます。また、大きなクラスタサイズは、ディスクの読み書き速度を向上させる可能性もあります。典型的なクラスタサイズは、1セクタ（512バイト）から128セクタ（64KiB）までの範囲で設定されることが一般的です。

クラスタの物理的な配置

クラスタは、必ずしもディスク上で物理的に連続しているとは限りません。複数のトラックにまたがる場合や、セクタインタリーブを行っている場合には、1つのトラック内でも連続していないことがあります。しかし、これはフラグメンテーションとは異なり、クラスタ内のセクタ群は論理的には連続した単位として扱われます。

まとめ

クラスタは、ファイルシステムがデータを効率的に管理するための不可欠な要素です。クラスタサイズの適切な設定は、ディスクスペースの有効活用とデータアクセスの効率化に大きく貢献します。クラスタサイズは、ファイルの平均サイズ、ファイルシステムの特性、ディスク容量などを考慮して決定されるべきです。

関連項目

ブロック (データ)
デフラグメンテーション

外部リンク

* Sectors and Clusters ntfs.com

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