クラストコア

クラストコア（Crustcore）とクラスト・パンクについて

クラストコア、またはクラスト・パンクは、ハードコア・パンクの流れを汲む音楽ジャンルの一つです。このスタイルは、激しい音楽と独特なファッションを特徴とし、政治的なテーマや社会的な批判を歌詞に盛り込むことが多いです。代表的なバンドとして、イギリスのDischargeを崇拝する多くのアーティストが特に有名ですが、彼らの影響は広範囲にわたります。

クラストの起源

「クラスト」という言葉は、元々「かさぶた」や「外皮」を意味し、見た目がボロボロな服を着て演奏するバンドを指していました。1986年にHellbastardのデモ・テープ「Ripper Crust」で初めてこの用語が使用されたと言われています。その後、AmebixやAntisect、Axegrinderといったバンドが1980年代後半のイギリスで独自のスタイルを確立し、これが「メタル・クラスト」と呼ばれるようになります。

1980年代後半のイギリスでは、Extreme Noise TerrorやDoomといったバンドが、ノイジーで高速な音楽スタイルを展開し、これらのサウンドはDischargeの初期ハードコアに影響を受けていました。このようなバンドが集まることで、クラストコアというサブジャンルが形成されました。

クラストコアの進化

1990年代に入ると、UKハードコアの影響を受けたスカンジナビアのバンドや、Dischargeに強い影響を受けた日本のバンドも、広義の意味でクラスト系に分類されるようになりました。この頃、音楽シーンに登場したTragedyのようなバンドは、ダークで重厚なサウンドを持ち、「ネオクラスト」と呼ばれる新たなスタイルを確立しました。このスタイルは、従来のクラストコアとは異なり、劇的な展開を持つ楽曲が特徴です。

2020年代に入っても、Miseryのような長寿バンドが活動を続けている一方で、様々な新しいスタイルや影響を受けたバンドが現れるなど、クラストの進化は止まりません。

主なバンド

クラストコアやクラスト・パンクには多くの注目すべきバンドが存在します。特に以下のバンドはこのジャンルの先駆者や重要な存在とされています。

• - クラスト系バンド: Amebix、Antisect、Axegrinder、Deviated Instinct、Hellbastard、Misery
• - クラストコアバンド: Doom、Extreme Noise Terror、Filthkick
• - D-beat（ディスコア）バンド: DISCLOSE、Disfear、No Security
• - ネオクラストバンド: Tragedy、Ekkaia

また、ABRAHAM CROSSやDestroy!、Nauseaといった他のバンドも、クラスト系に分類されることがあります。これらのバンドは、独自の色を持ちながらも、クラストコアという大きなカテゴリの中でその影響力を持続しています。

まとめ

クラストコアは、音楽だけでなく、そのスタイルやメッセージ性でも注目されるジャンルです。ディスチャージを始めとする先駆者たちの影響を受けながら進化を続け、現在のシーンにおいても新しい波を生み出し続けています。この音楽の深淵を探求することは、激しいサウンドの背後に隠れた社会的なメッセージを理解する手助けになるでしょう。

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