クララ会

クララ会

概要

クララ会（Ordo Sanctae Clarae）は、カトリック教会に属する厳格な戒律を持つ女子観想修道会です。この修道会は、外部世界との隔絶を保ちつつ、祈りと労働に専念する観想生活を通して、福音的な貧しさを生きることを根本としています。教会の霊的な柱としての役割を担っています。

創立の歴史と精神

クララ会の起源は13世紀初頭、イタリアのアッシジに遡ります。1212年3月18日、フランシスコ会の創立者であるアッシジの聖フランシスコと、その霊性に深く心酔した貴族出身の女性、アッシジの聖キアラ（クララ）によって共同で設立されました。会の基盤は、聖フランシスコが理想とした福音に即した「徹底した貧しさ」の精神にあります。

創立者キアラとその同志たちは、物質的な所有を一切放棄し、日々の糧を神への絶対的な信頼に委ねる生活を選びました。彼女たちの共同生活は、絶え間ない祈り、自給自足のための労働、そして周囲からのわずかな支えによって成り立っていました。特に、修道院としてはいかなる財産も持たないという誓いは、極めて革新的なものであり、「清貧の特権」として知られています。

キアラによってまとめられた彼女たちの生活規律は、死の直前の1253年8月10日、教皇インノケンティウス4世によって最終的に認可され、クララ会は正式な修道会として教会内に確立されました。この認可により、会の清貧と観想の精神は後の世代へと確かに引き継がれることとなりました。

修道生活

クララ会の修道女たちの生活は、祈りがその核心です。共同体での典礼（聖務日課）と個人的な観想祈りを通して、神との深い交わりを追求します。外部から隔てられた生活は、より集中して神に向き合うための環境を提供します。

また、自給自足の原則に基づき、修道院の維持に必要な様々な労働に従事します。これは単なる実務ではなく、創造主への奉仕であり、祈りと一体となった霊的な行いとみなされます。このように、クララ会の修道女たちは、静かで目立たない生活の中で、世界の平和と人々の救いのために祈りを捧げ続けています。

日本における展開

クララ会の霊性はヨーロッパを超え、遠く日本にも伝えられました。日本での活動は、アメリカ合衆国ボストンに設立されたクララ会の修道院がその端緒を開きました。これにより、日本で最初の修道院の一つが群馬県桐生市に設立されました。現在、日本国内には、他に新潟県上越市や福岡県小郡市などにもクララ会の修道院があり、それぞれがアッシジ以来の伝統に基づいた観想生活を営んでいます。

日本のクララ会の修道女たちも、清貧と祈りの生活を通して、見えない形で日本の教会と社会に霊的な貢献をしています。

関連事項

クララ会は、創立者を同じくする男性修道会であるフランシスコ会と深い精神的な絆で結ばれています。フランシスコ会の活動が外に向かう傾向があるのに対し、クララ会は内的な観想生活に徹することで、共にフランシスコの霊性を生きています。

参考文献として挙げられている女子パウロ会編集による『現代社会への挑戦 今を生きる女子修道会』（2006年）に記述がある可能性があります。

クララ会は、その長い歴史の中で、福音的な貧しさと深い観想生活を変わらず守り続け、現代においても祈りによる証しを続けている重要な観想修道会です。

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