クリスティアン・パボン

クリスティアン・パボン：才能と波瀾に満ちたキャリア

クリスティアン・ダビド・パボン。1996年1月21日、アルゼンチン・コルドバ近郊の町で生まれたサッカー選手である。4人兄弟の末っ子として育ち、兄たちの影響で幼い頃からサッカーに親しんだ。経済的な困難を乗り越え、才能を磨いていった彼のキャリアは、数々のドラマチックな出来事によって彩られている。

下積み時代とボカ・ジュニアーズでのブレイク

地元クラブで頭角を現したパボンは、タジェレス・デ・コルドバで頭角を現し、アルゼンチンの名門ボカ・ジュニアーズの目に留まった。2014年、ボカ・ジュニアーズへ移籍。移籍金は130万ユーロに上った。当初は下部リーグへの期限付き移籍を経て、ボカ・ジュニアーズへ復帰。すると、その卓越したスピードとパスセンスを武器に、両サイドで活躍、9ゴール9アシストを記録し、リーグ優勝に貢献した。

続くシーズンでは、全コンペティションで36試合に出場し7ゴール20アシストという驚異的な数字を記録。チームのリーグ2連覇に貢献し、自身もシーズン最優秀選手に輝いた。この活躍から、ヨーロッパの強豪クラブからの関心を集めることとなる。アーセナル、チェルシー、マンチェスター・シティ、パリ・サンジェルマン、ASモナコなど、数々のビッグクラブからのオファーが噂されたものの、実現には至らなかった。

ヨーロッパ移籍を逃し、MLS、そしてブラジルへ

ボカ・ジュニアーズでの契約延長後、パボンは度重なる怪我に悩まされるようになる。思うようなパフォーマンスを発揮できず、2019年には、かつての恩師であるギジェルモ・バロス・スケロット監督が率いるロサンゼルス・ギャラクシーへ期限付き移籍。ロサンゼルスではズラタン・イブラヒモビッチらと共闘し、35試合に出場して14ゴールを記録した。

その後、ボカ・ジュニアーズへ復帰するも、再び怪我に苦しみ出場機会に恵まれず、クラブを離れることを決意した。2022年には、アトレチコ・ミネイロへ移籍。加入後、出場停止処分による出場機会の制限や、移籍金の高騰による古巣タジェレス復帰の失敗など、幾多の困難を経験した。

アルゼンチン代表としての活躍とVAR問題

パボンはアルゼンチン代表としても活躍した。U-17、U-20、リオデジャネイロオリンピック代表を経て、2017年にA代表デビュー。2018 FIFAワールドカップにも出場し、全4試合に出場した。しかし、2021年、コパ・リベルタドーレスでのアトレチコ・ミネイロ戦では、VAR判定による2試合連続でのゴール取り消しという不運に見舞われ、その試合後にはチームメイトと共に暴動に巻き込まれるという出来事があった。この事件により、CONMEBOLから出場停止処分と罰金が科された。

グレミオでの新たな挑戦

2024年2月、パボンはブラジルのグレミオFBPAへ移籍。加入翌日に行われた公式戦デビューでは、後半途中からの出場ながらゴールを挙げる活躍を見せた。

パボンのキャリアを彩る数々のエピソード

パボンのキャリアは、華麗なプレーだけでなく、数々のドラマチックな出来事によって彩られている。経済的な困難、怪我、そしてVAR問題など、多くの困難を経験しながらも、彼は常に前向きに、そして持ち前の才能で、サッカー界で戦い続けている。彼の今後の活躍が期待される。

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