クリスティナ・デ・ボルボーン・イ・デ・グレシア

クリスティーナ・デ・ボルボン・イ・デ・グレシア

クリスティーナ・デ・ボルボン・イ・デ・グレシア（Infanta Doña Cristina de España）は、スペイン王女であり、1965年6月13日にマドリードで誕生しました。彼女の父はスペインの王フアン・カルロス1世、母はソフィア王妃です。家族には姉のエレーナ王女と、弟の現在の国王フェリペ6世がいます。クリスティーナは、王位継承順位では、弟の子供たちと姉の子供たちに次いで第6位となっています。

生い立ちと教育

クリスティーナ王女は、サルスエラ宮殿で洗礼を受け、盛んなスポーツ活動を通じて成長しました。彼女はセーリングの代表選手として、1998年のソウルオリンピックに出場した経歴を持っています。教育面では、1989年にマドリード・コンプルテンセ大学を卒業後、1990年にはニューヨーク大学で学びました。また、1991年にはUNESCOパリ本部での実務経験を積むなど、国際的な活動にも参加しています。彼女はカタルーニャ語、英語、フランス語、ギリシャ語を流暢に話すことができ、多様な文化に取り組む姿勢を見せています。

家族と結婚

1997年には、FCバルセロナに所属していたハンドボール選手イニャキ・ウルダンガリンと結婚。彼らはバルセロナオリンピックの際に出会い、この結婚によりクリスティーナにはパルマ・デ・マヨルカ公の称号が授けられました。夫妻は3男1女をもうけており、子供たちにはフアン・バレンティン、パブロ・ニコラス、ミゲル、イレーネという名前がつけられています。

公私にわたる活動

クリスティーナはUNESCOスペイン委員会の名誉総裁を務め、自然や芸術遺産の保護に力を入れる活動を行っています。2001年には国際連合の親善大使に任命され、広く国際的な貢献を果たしています。2010年以降は一家でワシントンD.C.に移住し、イニャキの職務に付き添う形で生活していました。

離婚と公金横領疑惑

しかし、2022年1月には二人の離婚が報じられ、23年には正式に成立しました。離婚の背景には、イニャキが関与していた公金の横領疑惑が影響を及ぼしました。彼の非営利団体に関連する資金流用事件において、クリスティーナも共犯として疑われ、裁判所に出廷するよう命じられました。これはスペインの歴史において、王族が刑事事件で出廷する初めてのケースとなります。

クリスティーナは2013年にスイスに移住することとなりましたが、その後も公的な対応を避けることはできず、2014年には税金詐欺とマネーロンダリングの容疑で出廷を命じられました。

裁判の行方

最終的には、2017年に無罪判決を受けたものの、彼女に対して課税逃れに関連する26万5千ユーロの納付が命じられ、夫のウルダンガリンは禁錮刑に処せられました。公金問題の影響は王室にも及び、今なお多くの議論を呼ぶ事案となっています。2015年にはクリスティーナの爵位が剥奪され、皇室の動向に注目が集まっています。

このように、クリスティーナ王女は公私にわたる様々な困難に直面しながらも、国際的な活動や社会貢献に努める姿勢が多くの人々に印象を与えています。

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