クリスマスキス〜イブに逢いましょう

1995年 10月14日から12月23日にかけて、テレビ東京系列局を中心に放送された連続テレビドラマです。テレビ東京とオフィスクレッシェンドが共同で制作し、全11話が放送されました。放送時間は毎週土曜日の午後10時から午後10時54分でしたが、最終回は午後11時24分までの30分拡大版でした。

このドラマは、ミステリーの要素に加えて、「生まれ変わり」「前世」「多重人格」といったサイコサスペンス的なテーマを深く掘り下げた推理ドラマとして位置づけられています。特に注目されたのは、テレビドラマとしては初めてとなる試みとして、「賞金100万円付き犯人当てクイズ」を実施したことです。視聴者参加型の企画は、放送当時大きな話題を呼びました。しかし、残念ながら現在まで本作のビデオソフト化は行われていません。

ストーリー

物語は、学芸員として働く主人公・水野しおりが、時折襲われる奇妙な幻覚に苦しむところから始まります。精神科に通いカウンセリングを受ける中で、しおりはセラピスト助手の榊原雄二と出会い、共に幻覚の原因を探り始めます。その頃、世間では婚約者だけを狙った連続殺人事件、「フィアンセ連続殺人事件」が発生していました。しおりは、夢の中で見た「クリスマスローズ」という言葉を手がかりに、ある喫茶店を見つけ出します。その場所は、訪れたことのないはずなのに、慣れた手つきで開けにくい窓を開けるなど、まるで昔から知っているかのような行動をとってしまいます。

「クリスマスローズ」というキーワードを巡り、23年前に殺害された長嶋広美、そして「生まれ変わり」の概念、さらには現在進行中のフィアンセ連続殺人事件の犯人は誰なのか、といった謎が複雑に絡み合っていきます。阿修羅のような奇妙な人間関係が周囲を取り巻く中で、主人公しおりの抱える心の闇が次第に明らかになっていく、先の読めない展開が繰り広げられます。

キャスト・スタッフ

主要キャストとして、主人公・水野しおりを中嶋朋子が演じました。しおりは、どこか影を持つ学芸員で、多重人格や前世の記憶を持つ複雑な役柄です。そのほか、榊原雄二役で佐藤敦啓、奥村美智雄役で森本レオ、砂川茂役で中尾彬らが出演。長嶋佐和子役の吉行和子、スザンヌ佐藤役の岡本信人など、個性豊かなキャストがドラマの世界観を構築しました。

スタッフには、企画・監修に秋元康、監督・演出に堤幸彦と君塚匠、脚本に池田裕幾と小原信治、音楽プロデュースは小室哲哉が手掛けました。主題歌には、trfの「BRAND NEW TOMORROW」が起用されています。

特徴的なエピソード

本作では、回想シーンにおいて、実際の年齢と演じる役柄の年齢に大きな隔たりがある配役が見られました。例えば、23年前の出来事を振り返るシーンでは、当時60歳だった吉行和子が10代の女学生役を、当時52歳の森本レオや47歳の岡本信人が大学生役を演じています。

また、最終回には主題歌を担当したtrfのメンバーが本人役としてゲスト出演しました。クライマックスの舞台として彼らの東京ドームコンサートでのロケが行われ、放送時間も90分に拡大されたスペシャル版として放送されました。

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