クリフハンガー (ゲーム)

『クリフハンガー』：レーザーディスクが織りなすルパン三世の世界

[1983年]]、アメリカのスターンエレクトロニクス社は、人気アニメ『ルパン三世』を題材としたアーケードゲーム『クリフハンガー』をレーザーディスク]を用いてリリースしました。日本では翌[[1984年、タイトーからごく少数ながら市場に投入されました。このゲームは、当時としては画期的なレーザーディスク技術と、誰もが知る人気アニメとのコラボレーションという、非常に珍しい試みとして注目を集めました。

ゲームの映像の大半は、宮崎駿監督による名作『ルパン三世 カリオストロの城』からの流用です。美しい背景や、ルパン、次元、五ェ門といったおなじみのキャラクターたちが、そのままゲーム世界に再現されています。また、一部シーンは『ルパン三世 ルパンVS複製人間』からの映像も用いられており、両作品の魅力が融合した独特の雰囲気を醸し出しています。

ストーリーは、『カリオストロの城』をベースにアレンジされたオリジナルの内容です。プレイヤーは主人公「クリフ」（ルパン三世）を操作し、悪役「ドラコ」（カリオストロ伯爵）と対決、クラリスを救出するという、原作を踏襲した筋書きとなっています。しかし、単なる映像の焼き直しではなく、ゲームならではの展開や演出が加えられており、原作ファンにとっても新鮮な体験となるでしょう。

ゲームシステムは、当時のLDゲームの多くに見られた、ストーリーに沿って指示される操作を行うタイプです。特定のタイミングでボタンを押したり、ジョイスティックを操作したりすることで、ゲームを進めていきます。このシステムは、単純ながらも、絶妙なタイミングの操作が求められる、高いゲーム性を実現しています。

そして、このゲームの大きな特徴の一つとして挙げられるのが、ゲームオーバー時の演出です。操作に失敗すると、『ルパン三世 ルパンVS複製人間』の冒頭シーン、ルパンが首を吊られる衝撃的な映像が流れ、ライフが一つ減ります。ライフがゼロになるとゲームオーバーとなり、この残酷ともいえる演出は、当時のプレイヤーに強い印象を与えたことでしょう。

『クリフハンガー』は、その希少性と、アニメーションの高画質、そして斬新なゲームシステムにより、レトロゲーム愛好家から高い評価を得ています。当時の技術力の高さ、そしてアニメとの見事な融合は、現代においても色褪せることなく、多くのゲームファンを魅了し続けているのです。この作品は、レーザーディスクゲームの歴史において、特筆すべき存在として記憶され続けるでしょう。当時を知る者にとっては懐かしさ、そして現代のゲーマーにとっても新鮮な驚きをもたらす、貴重なゲーム体験を提供してくれる作品と言えるでしょう。

もう一度検索