クリーム (バンド)

クリーム（Cream）

クリームは、1966年にイングランドで結成されたスリーピースのロックバンドです。メンバーには、成功したバンドでのキャリアを持つジャック・ブルース、エリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカーが名を連ねており、彼らはロック界において初期のスーパーグループと見なされています。活動は1966年から1968年のわずか2年半にわたりましたが、この短い時間の中で彼らは世界中で3500万枚以上のアルバムを売り上げ、多くの後続のミュージシャンにインスピレーションを与えました。特に、彼らのアルバム『クリームの素晴らしき世界』は、世界初のプラチナ認定を受けた2枚組アルバムとして有名です。

音楽スタイルと影響

クリームの音楽は、スタジオではブルース、ポップ、サイケデリアの要素を融合させた深みのあるサウンドを展開し、ステージパフォーマンスでは、ジャズやブルースの即興演奏を取り入れたことで知られています。彼らは、スタジオ録音では数分の曲を10分以上にわたって演奏し、ワウペダルなどの最新の機材を駆使して、強烈なエレクトリックサウンドを ライブで披露しました。これにより、ジミ・ヘンドリックスと共に1960年代のハードロックの礎を築いたとされています。

彼らの楽曲には、「クロスロード」「スプーンフル」などの伝統的なブルース楽曲から、「悪い星の下に」などの現代的なブルース、さらには「ストレンジ・ブルー」「英雄ユリシーズ」「いやな奴」などのエキセントリックな作品が含まれます。代表的なヒット曲には「アイ・フィール・フリー」（UK, #11）や「サンシャイン・ラブ」（US, #5）、そして「ホワイト・ルーム」（US, #6）などがあります。ブルースが作詞家のピート・ブラウンと共作した楽曲が多い中、ライブアルバムでは、メンバー全員が等しく高度な演奏力を持ち寄り、独特のアドリブを展開しました。アメリカのレコード会社が彼らをクラプトンとそのバックバンドとして売り出そうとした際には、彼らはそれを拒否しました。

クリームの音楽性は、レッド・ツェッペリンを始めとする後続のブリティッシュ・ハードロックバンドや、アメリカのハードロックバンド、オールマン・ブラザーズ・バンド、ジャムバンドのグレイトフル・デッド、フィッシュ、そしてプログレッシブ・ロックのラッシュにも多大な影響を与えました。ジャズの即興性を重視した彼らのスタイルは、後の音楽シーンに深い足跡を残しています。

メンバーと結成の背景

メンバーは以下の通りです：

• - ジャック・ブルース - ボーカル、ベース、ハーモニカ
• - エリック・クラプトン - ギター、ボーカル
• - ジンジャー・ベイカー - ドラムス

ジンジャー・ベイカーは、ヤードバーズでの成功を経て、ジョン・メイオール&ブルースブレイカーズに在籍していたクラプトンをバンドに誘い、その際にクラプトンがジャック・ブルースを必要とする条件を提示しました。ブルースとベイカーの関係は険悪でしたが、彼らは新しいバンドを形成するために協力しました。1966年7月、正式なデビューを果たし、しばらくしてジミ・ヘンドリックスとの共演などを経て名声を確立します。

解散とその後

クリームは1968年5月にアメリカツアー中に解散を決断し、その後のコンサートを持って公式に解散しました。解散後、クラプトンはスティーヴ・ウィンウッドなどとの新しいバンド結成を行い、ブルースとベイカーはそれぞれのキャリアを追求しました。

再結成も行われ、1993年にロックの殿堂入り、2005年にはロイヤル・アルバート・ホールとニューヨークでコンサートを行いました。しかし、現在メンバーで生存しているのはエリック・クラプトンただ一人となっています。

ディスコグラフィ

クリームは多くのスタジオアルバムを残しています。

• - フレッシュ・クリーム (1966年)
• - カラフル・クリーム (1967年)
• - クリームの素晴らしき世界 (1968年)
• - グッバイ・クリーム (1969年)

その音楽と影響力は、今なお多くの人々に愛され続けており、ロックの歴史において重要な存在であり続けています。

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