クルセーダー巡航戦車とは？意味をやさしく解説

概要

巡航戦車Mk.VIクルセーダー（A15）は、1940年から開発されたイギリスの巡航戦車で、同時期に開発された巡航戦車Mk.Vカヴェナンターと並行して進められました。「クルセーダー」という名称は「十字軍兵士」を意味し、戦車自体も北アフリカ戦線においてイギリス軍の勝利に大きく寄与しました。

この戦車は、基本的にカヴェナンターと多くの部品を共用して設計されており、ナッフィールド社が設計した同じ主砲塔を使用しています。ただし、カヴェナンターよりも車体が拡張され、片側の転輪の数が増加し、片側5個となっています。試作車は1940年4月に完成し、カヴェナンターよりも早く製造されました。

当初は5人乗りとして計画されましたが、銃塔に換気装置が無く、熱や発射ガスがこもるため、最終的には乗員が3名に減少しました。エンジンに関しては、リバティ・エンジンの性能に課題があり、特に砂漠地帯での運用において故障が多発しました。クルセーダーは最大速度が60km/hに向上する可能性を持ちながらも、多くの故障に見舞われ、「連続36時間重大な故障が発生しないのは奇跡」とまで評されたほどです。

また、クルセーダーはその優れたボギー式サスペンションにより、砂地での走破能力はアメリカ製戦車よりも優れていましたが、後退速度が遅いという欠点も抱えていました。実戦ではIII号戦車との対戦で不利な状況にあり、射撃位置への接近が必要でした。装甲や主砲に改良を加えつつ、チュニジア戦まで使用され、その後はMk.VIIIクロムウェルやアメリカのM4中戦車に更新されました。

主要形式

- クルセーダー I (巡航戦車 Mk.VI)

2ポンド砲を搭載し、問題のある銃塔は後に撤去されました。乗員は4〜5名。

- クルセーダー II (巡航戦車 Mk.VI A)

車体前面および砲塔の装甲を強化。乗員は同じく4〜5名。

- クルセーダー III

6ポンド砲を搭載し、車体前面装甲が51mmに強化。乗員は3名となりました。

派生型

クルセーダーは多様な派生型がありました。観測車型や対空戦車型が開発され、実戦において多くの役割が果たされました。特に対空戦車型のAA Mk.IやAA Mk.IIは、装備や設計に工夫がなされ、運用されました。

登場作品

クルセーダーは多くのメディアにも登場します。例えば、アニメ「ガールズ&パンツァー」やゲーム「War Thunder」、「World of Tanks」などで見られます。それぞれにおいて独自の機能や設定が与えられ、視聴者やプレイヤーに印象を残しています。

このように、巡航戦車Mk.VIクルセーダーは、その特異なデザインと歴史的役割により、第二次世界大戦において重要な戦力となりました。その実績と派生型が多岐にわたることから、今なお多くのファンに愛されています。

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