クルト・ツァイツラー

クルト・ツァイツラーの生涯

経歴の始まり

クルト・ツァイツラーは1895年6月9日、ドイツのブランデンブルク州ゴスマーに牧師の家庭に生まれた。第一次世界大戦が始まる直前の1914年3月23日、彼はドイツ陸軍に入隊し、テューリンゲン第4歩兵連隊に配属された。大戦中、彼は中尉に昇進し連隊の副官として過ごし、敗戦を迎えた。

彼はヴァイマル共和国軍に残留し、限られた軍力の中で第18歩兵連隊でさまざまな役職を歴任。1928年には大尉に昇進し、1934年には少佐として陸軍総司令部に配属される。1939年には第60歩兵連隊長に任命され、大佐に昇進する。彼の軍人生涯の初期段階は、着実に階級を上げていくものであった。

第二次世界大戦の参謀総長

第二次世界大戦が勃発すると、ツァイツラーは第14軍第22軍団の参謀長に選ばれ、ポーランド侵攻に参加する。1940年にはエヴァルト・フォン・クライストのA装甲集団の参謀長として、西方電撃戦やバルカン戦線に従軍。これにより彼の戦功は評価され、1941年には騎士鉄十字章を授与される。

また、彼はソ連軍との戦闘にも参加し、特にスターリングラード攻防戦では第6軍の脱出を強く具申し、心労から自身も体重を減少させた。しかし、ヒトラーはこの提案を拒んだため、ツァイツラーはストレスを抱えながらも陸軍参謀総長に就任することになる。彼はヒトラーの楽観的な見解を支持しつつ、自己の判断力を発揮して兵站の管理を行った。

戦局の悪化

1944年にはヒトラーの信任を受けて上級大将に昇進するが、戦局は日々厳しくなり、彼は東部戦線の厳しい状況に直面する。クリミア半島を失い、連合軍のノルマンディー上陸作戦も失敗。ツァイツラーは苦しい戦況について悲観的になる一方で、ヒトラーに参謀長の解任を申し入れるも却下される。

彼はさらなるストレスの中で神経衰弱に陥り、1944年6月にはヒトラーとの会議中に倒れる。最終的に彼は同年7月に解任され、ハインツ・グデーリアンが後任に持ち込まれることとなる。

晩年とドイツ国防軍の退役

ツァイツラーは解任後、副官からヒトラー暗殺計画に参加するよう誘われたが拒否し、戦後はイギリス兵に捕らえられる。ニュルンベルク裁判にも証人として出廷し、1947年には釈放される。彼の軍歴は終戦後も短期間続いたものの、ヒトラーの命令により以降は軍服の着用が禁じられた。

彼はその後、アメリカ陸軍戦史研究部で勤務し、晩年には肺癌を患い1963年にキームガウのホーエンアシャウで七十歳で亡くなる。彼の人生は、ドイツ陸軍の歴史に深く刻まれた。

もう一度検索