クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン

クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン

クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン（The Crazy World Of Arthur Brown）は、1960年代後半に登場したイギリスのロックバンドです。中心人物であるアーサー・ブラウンの奇抜なパフォーマンスと、革新的な音楽性で、サイケデリック・ロック、グラム・ロック、シアトリカル・ロックの先駆けとして知られています。

バンドの概要

1968年、アーサー・ブラウンは自身の音楽性を追求するためにこのバンドを結成しました。彼のステージパフォーマンスは非常に特徴的で、顔に奇抜なメイクを施したり、頭に火をつけたりするなど、観客を魅了しました。このスタイルは、後のアリス・クーパーなどのアーティストに大きな影響を与えたと言われています。

音楽的には、サイケデリック・ロックを基盤としつつ、実験的な要素を積極的に取り入れています。そのサウンドは、グラム・ロックやシアトリカル・ロックの先駆けとしても評価されています。

デビューと成功

バンドは1968年に同名のデビューアルバム『クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン』を発表しました。このアルバムは、ザ・フーのマネージャーであるキット・ランバートとピート・タウンゼントがプロデュースを手掛けたことでも話題となりました。アルバムからのシングルカット「ファイアー」は、全英シングルチャートで1位を獲得し、アメリカのビルボードHOT100でも2位を記録する大ヒットとなりました。この曲は、1968年を代表する楽曲の一つとして、今日でも広く知られています。

メンバーの変遷

バンドは、その活動期間中にメンバーの入れ替わりが頻繁にありました。初期のメンバーには、後にエマーソン・レイク・アンド・パーマー（EL&P）で活躍するカール・パーマーなどが在籍していました。パーマーは、EL&P結成前にアーサー・ブラウンのバンドに在籍していたことは、あまり知られていません。

また、ヴィンセント・クレインは、カール・パーマーと共にアトミック・ルースターを結成しています。

その後

クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウンは、1969年に2枚目のアルバムを発表した後、一時活動を休止します。その後、2000年にアーサー・ブラウンを中心に再結成され、現在も活動を続けています。

彼らの音楽は、その革新性とアーサー・ブラウンの強烈な個性によって、後世の多くのアーティストに影響を与え続けています。

メンバー

現在のラインナップ

アーサー・ブラウン (Arthur Brown) – リード・ボーカル
Z-スター (Z-Star) – リード&バック・ボーカル、ギター、キーボード、パーカッション
ルーシー・レジェルトヴァ (Lucie Rejchrtova) – キーボード
ジム・モルティモア (Jim Mortimore) – ベース、バック・ボーカル、ギター
サミュエル・ウォーカー (Samuel Walker) – ドラムス、バック・ボーカル
マルコム・ディック (Malcolm Dick) – デジタル・アーティスト、映像担当
ニナ・グロムニアック (Nina Gromniak) – ギター

過去のメンバー

ヴィンセント・クレイン (Vincent Crane) - オルガン、ピアノ
ドレイチェン・シーカー (Drachen Theaker) - ドラムス
ニコラス・グリーンウッド (Nicholas Greenwood) - ベース
ピート・ソリー (Pete Solley) - オルガン
カール・パーマー (Carl Palmer) - ドラムス

ディスコグラフィー

クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン (1968年)
不思議の国のアーサー王 (1969年)
Tantric Lover (2002年)
Vampire Suite (2003年)
Voice of Love (2007年)
Zim Zam Zim (2013年)
* Gypsy Voodoo (2019年)

もう一度検索