クレマン (パチスロ)

クレマンの概要とその仕組み

クレマンとは、パチスロにおいて不正にコインクレジットを増やすために使用される板状の器具です。この装置は、パチスロのコイン投入口に挿入することで、機器が大量のコインが投入されたと誤認し、瞬時にクレジットを増やす仕組みを持っています。また、クレマンは「クレマン君」や「クレ満」という名称でも知られています。

パチスロにおける基本的な仕組み

パチスロは、コイン投入口からコインを投入することによってベットが可能になるシステムです。コインが入ることでベットランプが点灯し、続けてコインを追加するとクレジットが増加します。クレジットは最大で50枚分まで蓄積され、残数があるとコインを挿入せずともベットボタンを押すことで遊技を継続することができます。

クレマンは、このコイン投入口に挿入し、特定のスイッチに接触することで、瞬間的にクレジットを満タンにすることが可能です。このため、「クレジットを満タンにする」という意味合いから、その名が付けられました。装置の外見が透明であったり、コイン投入口に似せた形状になっているため、見た目からは簡単には判別できないのが特徴です。

クレマンによる不正の影響

この装置を用いることにより、プレイヤーはコインを借りることなく遊技を続けられ、機器からクレジット分のコインを払い出しを受けることができます。しかし、このような行為は不正行為として、刑法に抵触する可能性があります。具体的には、クレマンなどを利用したゴト行為は「窃盗罪」と見なされ、店舗に不正入店した場合は「建造物侵入罪」が適用される場合もあります。

たとえば、2009年には大阪地方裁判所がクレマンを使用した事例に対する初の実刑判決を下しています。こうした法的な背景も持ち合わせているため、許可のない不正改造や使用は大きなリスクを伴います。

クレマンの仕組み

パチスロのコイン投入口にコインが投入されると、そのコインは定められた経路を通り、コインセレクターという装置を通過します。このセレクターはコインの通過を判断するためのセンサーであり、光の遮断を基に枚数をカウントします。クレマンはこのコインと同じ厚さの板状の器具で、挿入時にコインセレクターのスイッチに接触する構造となっています。スイッチが点滅すると、センサーはこれをコイン通過と誤認し、クレジット数が上昇します。

対策と今後の課題

クレマン等による不正を防ぐために、店舗側ではさまざまな対策が講じられています。例えば、遊技中にコインを入れずに長時間プレイする打ち手を観察したり、筐体内部に異物センサーを設置したりするなどがあります。しかし、新しい不正機器も登場しており、対策が追いついていないのが実情です。

さらに、風営法により、パチスロ機の改造が厳しく制限されていることも、対策の導入における障害となっています。このため、例えば2010年代の初めには、規制を遵守せずにクレマンの使用を防ぐための仕様変更を行った店舗が営業停止処分を受けるなどの事例も見られました。このように、不正行為に対する取り締まりを強化していく中で、今後も対策は至難の業であり続けるでしょう。

まとめ

クレマンは、パチスロにおける重要な不正行為の一環として話題に上がることが多いですが、その仕組みや法的背景、対策について理解し、適切な遊技を行うことが求められています。運営側とプレイヤー双方が法の尊重をもって接することが、より健全な遊技環境を築く鍵となるでしょう。

もう一度検索