クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!

『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!』は、2007年4月21日に公開された劇場版『クレヨンしんちゃん』シリーズの第15作目です。この映画はシリーズの15周年を記念する作品で、上映時間は102分です。興行収入は約15.5億円を記録し、歴代第3位となりました。

概要

本作は、双葉社が初めて出資・製作に加わった劇場版です。特に注目すべき点は、シリーズ初のシロを主人公にしたストーリーであることです。また、これまでの作品とは異なり、主要キャラクターである野原一家とカスカベ防衛隊が敵対勢力と戦う構図ではなく、UNTIとひなげし歌劇団との三つ巴の対決が描かれています。

『歌う』という副題が示す通り、本作はミュージカル風の要素が強く、原作の臼井儀人が「ミュージカルを見たい」という希望を反映させた内容となっています。サブタイトルも前作から再び『嵐を呼ぶ』に戻りましたが、今回は初めて上映時間が100分を超えました。監督には、前回に引き続きムトウユージが起用され、脚本にはやすみ哲夫がシリーズ初登場となりました。

オープニングテーマにはAKB48のメンバーが参加し、そのうち数名は本編にもゲスト出演しています。このことで、動的な演出が加わり、見る者に新しい楽しみを提供しました。この年から、テレビシリーズと連動した特別版が放送されるようになったのも特徴的です。

あらすじ

物語は、地球を離れた宇宙での『ケツだけ星人』たちの船から始まります。彼らは接近する巨大な隕石を破壊しようと試みますが、失敗で一部が地球に飛んでいきます。この特殊爆弾は沖縄に向かっており、しんのすけたちが沖縄旅行中にお尻にくっついてしまうことに。すると、宇宙監視センターのUNTIがこの爆弾を回収しようと動き出しますが、それを狙うテロ集団・ひなげし歌劇団も現れ、物語は緊迫した展開を迎えます。

シロのお尻についている爆弾の存在を知ったUNTIは、シロと爆弾を宇宙に打ち上げる計画を立てます。それに対し、しんのすけはシロを守るために逃亡を決意し、65億人の人々に対抗しながら、彼らは逃げ続ける冒険が描かれます。

核となるキャラクター

本作の中では、特に悪役としてUNTIを指揮するキャラクターの時雨院時常が重要な役割を果たします。彼は、計画を遂行するためにはどんな犠牲も厭わない冷酷な性格で、シロを宇宙に送り込もうとします。彼が抱く信念は、終盤でひろしに否定されるものの、その態度は最後まで変わりません。

また、ひなげし歌劇団の団長・お駒夫人も物語に深みを与えています。彼女はシロを奪おうとする一方で、その素性が実は別人のような姿を持っているというサプライズ要素が加わっています。さらに、個性的なキャラクターたちが登場し、物語に彩りを添えています。

音楽と映像

音楽面でも本作は力を入れており、オープニングとエンディングテーマは視聴者に強い印象を与えます。特にエンディングテーマの「Cry Baby」は、作品のストーリーを引き立てる重要な役割を果たしています。全体的に、アニメーションやキャラクターデザインも評価され、視覚的にも楽しめる作品となっています。

この映画は、『クレヨンしんちゃん』の中でも特に記憶に残る作品となり、多くのファンに愛され続けています。シロとしんのすけの絆や、冒険の中での成長を描いた本作は、多面的なメッセージを持ち、観賞後にも余韻が残る内容です。

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